2017年11月22日水曜日

SDA in 王滝 winter race

SDA in 王滝 冬の陣

2017年11月19日(日)開催

出走カテゴリ:120km (コース変更により 18kmコース×5周に変更)

天候・コースコンディション:曇り/晴れ・ウェット/スノー

リザルト:総合2位

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT, PowerBar, TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with garmin edge 520 (Strava data)

Distance:101.5km  time:5°44'51"  ave speed:17.7km/h  elevation gain:2,727m

Ave heartrate:155bpm Max heartrate:183bpm

Normalized power:243w TSS:259.4 work:3,913kJ


Wheel :PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO  for marathon TLR front&rear 1.5 bar

Race bike main component:SRAM XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 36t)


11月としては初開催となった、セルフディスカバリーアドベンチャーイン王滝に参加してきました。

本大会は例年であれば毎年9月に開催されるものの、台風の影響によりレースは中止。
11月中旬に延期し開催と知った際は、嬉しいと思うと同時に、未知の領域で走ることの恐怖さえ感じていました。

レース前日18日には、PowerBar サポートアスリートの1人として、ファンライドのアテンド役、並びに、その後のトークショーを担当させていただきました。

ファンライドの部門では、生憎の天候であったこともあり、室内にてレース本番に備えての服装や補給食、持参物等の紹介をさせていただきました。
その後は、天候が回復していたこともあり、任意参加制の軽めのライド。
ご参加いただきまして、ありがとうございました。

お次は、PowerBarサポートアスリートによるトークショー。
池田選手、山中選手、岡本選手、そして私。
Photo:Ikeda Sayako san
補給食の内容や、レース時の服装、トラブルに備えての準備、本大会の目標、と私なりの意見をお話させていただきました。
Photo:Ikeda Sayako san
前日はいつになく慌しく終えましたが、自身の任務を果たすことができ一安心。
翌日に備え、早めに就寝しました。

レース当日は3時起床。
朝食と身支度を済ませ、会場へ。

日が昇っていない時間帯で、かつ厳しい冷え込み。
レース前の準備も、ウォームアップも、視野が効かないため、効率が悪くなってしまい慌しい状態でスタート整列を迎えてしまいました。

今回のレースも、5月大会に引き続きレース参加者の代表として、安全祈願の祈祷を担当させていただいました。

そして、朝6時にレーススタート。
寒さ、積雪、周回コース、と未知な領域でのレースは幕を開けます。

スタート直後のパレード走行では、寒いこともあり静まった雰囲気の中で進んでいきます。
パレード走行中に、徐々に日が昇ってきたのでライトは消灯。
リアルスタートに備えます。

そして、5kmほど走行して本格的なジープロードに突入。
いよいよリアルスタート。

リアルスタート直後の橋の上、勢いよく1番手で通過したはよいものの、まさかの路面が凍っていた状態。
凍結に気が付かず、勢いよく入った私。
気が付いた時には、スリップして落車していました。
左膝を強打したものの、バイクは特に影響を受けず、直ぐに立て直しレース復帰。

1kmほど、強めに踏んで一気に先頭まで追い付きました。
マラソンレースでの序盤で、この展開は初めて。
とにかく、この行動で脚を使ってしまった以上は、中盤までは脚の回復に充て先頭集団後方で様子見しながらレースを展開していくプランを立て進めていきます。

この時点での先頭集団は、池田選手、岡本選手、私の3名。
岡本選手が積極的に前を引き、それに池田選手が続き、その後ろに私、という位置取りを中心にして登坂区間をクリアしていきました。

周回コース最高地点に近づくにつれ積雪が多くなり、最高地点の周辺ではコース上に2~3cmほどは積もっている状態。
この積雪が日に当たることによって溶けるのか、それとも凍ってしまうのか。
周回ごとに走りの変化が求められると想定し、1周回目の下り区間に入ります。
Photo:Ikeda Sayako san
先ほどの落車でナーバスになってしまったのか、リズムよく下れず、コース最下地点に降りてくるころには、前の2人から10~20秒の遅れをとってしまう形となってしまいます。

最下地点からの登り返しが始まり、2周目突入といった頃からか、リアタイヤの接地感の違和感に気が付きます。
まさかと思い、タイヤを目視で確認すると、案の定パンクでした。

2人の見える位置まで、ひとまず踏み込み、2周回目へ。
その後、エア抜けが酷くなり、ストップしてパンク修理することを決意。

シーラントで塞ぐ方法はリスクがあったため、チューブを入れる方法を選択。
しかし、バルブコアや、CO2ボンベインフレータが凍ってしまっていたため、作業は難航。
口に咥えて、氷を溶かしたりと、思った以上に時間がかかってしましました。

修理中には、後続の山中選手がわざわざストップしてくださり、シーラント噴出道具を渡していただいたり、また他の選手にも心配していただいたりと、自転車から降りて止まっているにも関わらず、心は温かくなりました。

無事に修理を終え、レース復帰。
9~10分ほどのロスでしたが、この時点ではまだ身体的にも精神的にも元気で、先頭まで追い付くという気持ちもありました。

2周回目は、登りでのパフォーマンスを意識し、しっかり踏み込んでいく走りを意識。
また下り区間においても、1周回目よりもスムーズに下ることが出来ており、精神的にも安定していました。
2周回目の終わりで、4位の山中選手まで捉え、3周回目で3位まで浮上。
トップの岡本選手との差は8分という情報を得ます。

3周回目も2周回目と同様に、登りでしっかり踏み込む走りを意識。
しかし、2周目と3周目とプッシュしてしまうと、後半の4周目、5周目に必ずツケがくると想定しましたが、この時は後半のことなど気にしている余裕はありませんでした。
おまけに、追走に夢中になってしまったこともあり、ロクに補給を取らず、3周目の登坂最高地点までレースを進めてしまいました。
3周目の下りに入る前に、慌ててパワージェルを補給。
しかし、下りで頭がボーッとしてきたりと、明らかに2周目と比べ、パフォーマンスが落ちてしまっていました。

3周回目の終盤にて、トップ集団に居たはずの池田選手を捉えます。
どうやら落車してしまったようで、かなりペースが落ちていました。
この時点で2位に浮上。

3周目を終え、4周目へ。
トップの岡本選手とは、依然変わらず7分もの差。
最後まで何が起こるか分からないだけに、マイペースに切り替えレースを進めていきます。

ひとまずは、登り初めの前に、非常用として備えていたTopSpeedを補給。
集中力は取り戻しましたが、登っている中で、徐々に空腹状態に。
パワージェルを飲もうにも、液体が固まり始めてきて飲みづらい状態。
下りを前にして、一旦ストップし、ウエハースを補給しました。

4周目の下りを終え、いよいよ空腹状態は解消されたものの、根本的なエネルギー不足の状態。
上半身も疲労が見え始め、握力もほとんど無くなってしまった状態でした。

いよいよ、最終周回の5周目。
トップの岡本選手とは、10分の差に広がってしまい、追走はほぼ諦めひたすらマイペース走法で踏んでいきます。
その中でも、抜かしていくラップアウトした選手から沢山の激励をいただき、ペースはかなり落ちてしまったものの、気持ちで登坂区間を走行していきました。

コース最高地点まで辿り着き、いよいよあとは下るだけ、と思った矢先。
チェーンが度々落ちてしまうトラブル。
一旦ストップして、確認してみると、チェーンリングが凍ってしまっていました。
手で引っ掻いてもなかなか氷は取れず、口で咥えるにもそうはいかないので、どうしたものかと途方に暮れてしまいます。
このトラブルで5分ほどストップ。
結局は、無理やり乗車し、チェーンの張力で氷を取るという荒業でなんとかレースに復帰出来ました。

3度のアクシデントによるストップから、精神的にはボロボロの状態。
とてもレースをしているような感情ではありませんでしたが、ゴールに向けて1秒でも早くゴールしたいという気持ちだけはありました。

5周のループ区間を終え、いよいよフィニッシュラインへ。
順位に対する感情は全く無く、やっと終わる、と思う安堵の気持ちでした。
Photo:Ikeda Sayako san
王滝 冬の陣。2位で終えました。
Photo:Ikeda Sayako san
ゴール後は、初優勝の岡本選手の元へ。
私より、16分も先にフィニッシュしていたことを知り、素直に敬意の感情でした。

私がフィニッシュして4分後、池田選手、山中選手と続いてゴール。

お互いの健闘をたたえ合いました。
Photo:Ikeda Sayako san
11月初開催となった、SDA in 王滝。
殆どが未知の領域であったため、事前の準備では想定できなかった事象がレース中に多く起きてしまう結果となりました。

服装面に関して。
上半身は、半袖インナーシャツ、長袖インナーシャツ、冬物アウター、ウィンドベスト。
下半身は、冬物着圧タイツ、ビブショーツと起毛レッグウォーマー。
足元は、登山用のメリノウールソックス、シューズカバー、その内側に靴下用カイロ。
手元は、発熱素材インナー手袋、登山用アウター手袋。
頭はヘッドキャップ。
上記の服装で防寒に関しては、レース中の問題は全くありませんでした。

補給食に関して。(事前に補給に関して書かせてていただいております。)
レース中に取れたのは、750ml ドリンク(ウルトラミネラルタブレット×4、パワージェル×1)
パワージェル約3個分。
PowerBar ウエハース1個。
レース中に口にした補給食の総カロリーは、700kcalのみ。
事前に想定した量の半分も取ることが出来ませんでした。
これは、トラブル等の外部要因も去ることながら、メインで摂取するつもりのパワージェルが固まって飲みづらくなってしまった部分が大きく、事前の準備不足を物語りました。

自転車の機材に関して。
サイドをカットしパンクしたリアタイヤ、またフロントタイヤを含め、エア圧が高すぎたと振り返り感じました。
また、リアディレーラーやプーリー、カセットの一部や、チェーンリングが凍ってしまうのは完全に予想外でした。
凍結防止剤を散布しておかなかったことによる、事前準備不足がここでも伺えました。

上記の3点は、もしこういった極寒の中行われるエンデュランス系のレースがあった際の参考として上げました。
未知の領域でのレースは、成功した点よりも失敗してしまった点の方が重要となります。
補給食と、機材の失敗に関しては、今後もし同じようなレースがあった際には、十分に気を付けたい部分として記憶したいと思います。


終わりに、今回のレースは9月大会の延期として強行開催となってしまった部分が強かったものの、私自身としては、大きな怪我無くレースを終えられたことにホッとしています。
しかし、こうしてレースを無事に終えられるのも、開催していただいたパワースポーツさんを始め、多くのスタッフさんや、王滝村のボランティアさんと、多くの方の支えがあってこそかと、本大会は強く感じました。
この場をお借りして、お礼申し上げます。
誠にありがとうございました。

私自身の感想としては、優勝を狙っていた大会を落としてしまい、ショックな部分も大きいですが、日々の行いや練習でのおごりがそのままレースの結果として出てしまったのではないか、と感じています。
2018年の王滝では、挑戦者として、一から戻ってまた良い争いが出来ればと思います。

最後になりますが、極寒の中ご準備いただいたスタッフの皆様、ありがとうございました。
参加者の皆様、お疲れ様でした。

また来年の王滝で。

team PAXPROJCT  宮津

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