2017年6月30日金曜日

UCI mountain bike marathon world championships 2017


UCI mountain bike marathon world championships

2017年6月25日(日)開催

出走カテゴリ:elite men(48.5km×2 laps = 97km)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:115位/176人出走(160人完走)

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520

Distance:97.5km time:3°49'55"  ave speed:25.4km/h   elevation gain:2100m

wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire MIBRO for marathon TLR front&rear 1.8 bar

Ave power:251w  Normalized power:304w TSS:280 work:3,457kJ

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)


6月25日 ドイツ-ジンゲンにて開催のMTBマラソン世界選手権に日本選手代表として参加させて頂きました。

日本国内では公式XCMレースが無いため、どのような競技性のレースであるのか認知度が低いですが、自転車ロードレースを未舗装路でかつ起伏が激しいコースがメインで行う競技であり、本場ヨーロッパではUCIシリーズが多く開催されるほどのメジャーな競技でもあります。

シーズン上半期の目標の一つとして考えていた今大会。
国内のCoupe du Japonシリーズにおいても優勝することができ、調子は上向きで、レースに向けての調整期間は順調にこなせていました。

ドイツに現地入りしてからも、時差ボケ等の環境変化による身体への影響が心配されましたが、影響はさほど無く、国内のレースと比較的近い状態でレースに臨むことが出来ました。

レースが行われたコースは、1周回48.5kmあたりの獲得標高1200mで、舗装路、砂利道、農道の芝生区間と3種類の路面のパターンが存在するコース。
1~2kmほどの短い登りと下り繰り返しであるものの、登り区間も長い場所で3~4kmと短く、常にペダルを回していることが要求され、全体で足を休められる区間が少なく、距離は全体で97kmなものの、ハイスピードで展開されるであろうコースレイアウトでした。
目標は50~100位以内と定め、レース当日までできる限りのことはやりました。

レース当日は曇天。
しかし、日中にかけて気温が上昇することが予想されため、想定レース時間に対して少し多めに補給を準備しレースに備えます。

各国のエース級ライダーばかりが出場するレースなだけあり、レース前のコールアップの段階から、会場の雰囲気に飲まれそうな緊張具合でした。

スタート位置は大体15列目の真ん中あたり。

10時20分(現地時間)男子エリートレースがスタート。

スタート直後からほぼ全開走。
集団の中ほどに位置し、上手く前方に上がろうと試みましたが、どのライダーも考えていることは同じなようで激しい位置取り争いがこの時点から起こっていました。
また集団落車のリスクを避けたかったため、どうしても守りの態勢に入ってしまいスタートポジションの順位をキープすることで精一杯でした。

道幅が一気に狭くなる左コーナー後のトンネルの下で、一気にスローダウン。
幸い後方で発生した落車には巻き込まれず、そこから本格的な登り区間のスタート。

登り区間が始まるも、周りのライダーとかろうじて同じスピードで走る程のペース。
決して私自身の調子が悪いのではなく、周りのライダーのレベルが”その程度”のものであり、この時点で世界選手権という舞台を走るライダーの脚力レベルを目の当たりにしました。

短い登りと下り繰り返しであるものの、登りで乱れた呼吸を整える間もなく、一気に下り区間へと入り、下り区間ではローテーションを組みながら、少しでもトップ集団との差を縮めるために緩い下り区間でもペダルは回し続ける状態。
身体的にも精神的にも、ほとんど余裕は無く、集団内の前のライダーについていくため必死でペダルを回します。

10km過ぎの登り区間で順位は目視で80~90位ほど。やっとトップの大集団に私の居た子集団がドッキングするものの、集団後方であるのでペースの変化が激しく、集団から離れたり、再び追いついたりの繰り返しで、この行為が、無駄に足を使ってしまっている感覚がありました。

マイペースで走ることは許されない、徐々に前に上がることは出来ず、かといって前のライダーとの距離を少しでも開けると、後ろのライダーから罵声や檄が飛んでくる。
一列帯の集団の走りに上手くペースを合わせることが要求されましたが、イマイチペースが嚙み合わず、細かいペースのアップダウンで徐々に体力を消耗していきました。
私自身で分かってはいたものの、序盤は明らかなオーバーペースでしたが、ここで引き下がるわけにはいかないという本心がありました。

Photo by : Norbert Mayer さん

25km地点あたりの少し長めの登り付近で、90位前後の順位。
この時点で既にトップ集団は遥か彼方へ、かろうじて第二集団が見える位置の子集団で展開します。
このあたりから早くも腰に痛みが出始め、集団内で痛みに耐えながらの走りが続きました。
しかし、集団から徐々に脱落。
脱落した選手同士で、また子集団が形成され、再びローテーションをしながらレースを進めていきました。

1周回目終了前のシングルトラック区間で、集団前方のドイツの選手が落車。
集団後方に位置していた私はすぐに反応出来ず、一旦ストップ。
この行為でしばらく単独走行状態に。

1周回目終了時点で105位。
この順位を告げられ愕然とするとともに、気負いのようなものが消え精神的に楽になるような感覚はありました。

2周回目は、前方から下がってきた選手や後方から上がってきた選手と共に、ペースダウンを抑えるべく進めていきますが、1周回目より明らかにペースガ落ちてしまっている感覚であるものの、周りのライダーから遅れるといったものは無く、周りのライダーも1周回目はオーバーペースであったことが伺えました。

腰の痛みもある時をピークに、そこから激痛は無くなり、やっと本来の走りが出来きるようになるものの、脚力は既にほとんど残っておらず、精神的にもかなり疲労している状態でした。

登りにおいても1周回目のようなパワーは出せず、ひたすら耐える我慢の走りを強いられました。
上位集団の争いからは脱落してしまったものの、順位を落とすことなく、1秒でも早くゴールし、しっかり完走しようという目標に切り替え淡々とペダルを回しました。

Photo by : Norbert Mayer さん

残り5kmあたりで後方から上がってきたグレートブリテンのライダーに背中を押され、一気にペースアップ。
2名でローテーションし競いながら、ゴールを目指しました。

そして、ゴール前の最後の直線へ。

初の世界選手権は115位という結果で終えました。


順位での目標を50~100位以内と定めていただけに、結果からみれば不満なものとなってしまいましたが、レース内容からみれば、序盤のハイペースにしっかり対応し攻めの走りをすることが出来た点については満足しています。

しかし、スタート直後のポジション取りや、集団内での位置取り、また登坂でのパワー不足や、後半のスタミナ切れといった、根本的なフィジカル面の弱さであったり、体力レベルの低さをヨーロッパのライダーと比較し実感しました。

今回のレースを全体的に考え、何が足りていて何が足りていなかったのか、また足りていなかった点はどう補えば改善されるのか、ということを考え直し、今後のレースに活かしたいと思っております。

日本選手団で
Photo : 門田さん
最後になりますが、日本からたくさんのご声援本当にありがとうございました。

次戦はCJ-1 田沢湖、そしてMTB全日本選手権となります。

今後ともよろしくお願いします。


team PAXPROJECT  宮津




2017年6月14日水曜日

Coupe du Japon CJ-1 白山 一里野

Coupe du Japon CJ-1 一里野

2017年6月11日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート(start loop + 6 laps)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ/マッド

リザルト:1位 / 66名出走(21名完走)

サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520

Distance:24.8km time:1°17'25" ave speed:19.3km/h

ave heartrate:175bpm max heartrate:185bpm

wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire front:STINGO XC TLR 1.6 bar, rear:MYTHOS XC TLR 1.6bar

  Normalized power:335w TSS:114.9 work:1,172kJ

 Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 32t)


Coupe du Japon CJ-1 一里野大会に参戦してきました。

SDA王滝からの連戦となった、CJ富士見パノラマステージでは思い描いていた走りが出来ず、どのようにすればさらに速く走ることができるのか、良い結果を出すことができるのか、と考え今大会に向けて調整してきました。

また、この一里野ステージは、昨年のレースにおいても3位に入賞しており、比較的相性が良く、単純な登りがメインなコースであるため、コースに対しての得意意識はありました。

さらに、いつものCJ戦であれば、3位以内入賞等あまり明確な目標を立てない私ですが、今回は調整段階において調子が良いと把握できたため、目標を”優勝”という高い位置に定め、多少のプレッシャーを感じながらレースに臨みました。


レース前日に午後から強い雨が降り、ドライコンディションであったコースが一気にマッドへと変化。

しかし、レース当日は快晴となり、ゲレンデ部分の地表はドライコンディションなものの、後半のシングルトラックは変わらずスリッピーなマッドコンディションという、路面コンディションを見極めたタイヤ選択、タイヤのエア圧設定が今回のポイントになりました。

私が重視したのは、ドライコンディションのゲレンデ区間より、マッドコンディションのシンングルトラック区間。
タイヤはフロントとリアと別のものを選択し、漕ぎが重くならなく、かつマッドコンディションに対応することが出来るタイヤを考え、選択しました。

レース前のアップでは、ローラーを回し身体を温める段階においても、脚が良く動き、上半身と下半身が上手くリンクし、無意識でもペダルを回せるほどの調子の良さでした。

過度な緊張や不安は少なく、精神面も安定した状態で、今日は”できる”というはっきりとは分からない何かを持ち、スタートラインに並びました。

レースは定刻通り、13時30分から。
スタート位置は最前列左寄り。


スタート直後は、なかなかペダルがはまらず、一時は15番手ほどに埋もれてしまいましたが、焦らず前を追い、その後のスタートラップ登り区間で6~7番手までポジションを上げます。

ファーストラップは6位で終え、その後も徐々に順位を上げ、2周回目のゲレンデ頂点区間の登りで2位まで浮上出来ました。
その後は、ブリヂストン アンカー サイクリングチームの沢田選手とランデブ状態になるものの、コース終盤のシングルトラック区間で5秒ほどの差を付けられてしまい、そのまま2周回目を終えます。

しかし、3周回目の序盤で沢田選手に追いつき、再びランデブ状態になります。


この3周回目、通常であれば一旦ペースを落ち着かせ、終盤に向け体力を温存したいという思考が働きますが、付け入るスキはそこにあるのかと考えました。

最終周回とそのラスト1周回前は、誰しもがペースを上げられるよう最大限努力をしますが、私の場合ラストスパートのキレがなく、また下り区間でのミスは後半の方が多いため、最終決戦に持ち込まれてしまうと勝ち目が薄くなってしまうと考え、レース中盤前には勝負を付けたいと今回は考えていました。

さらに、この3周回目においてペースを落とさない走りをするほか、もう一つ意識したことは、沢田選手の登りでの動きを観察するといった、動きパターンの把握でした。

 コース全体で考え、ゲレンデ頂点区間前の登りからの中盤から終盤にかけての区間は、沢田選手に遅れてしまうものの、序盤から中盤の区間は私の方が踏めていると3周回目時点で把握出来ました。
また、2周回目と3周回目を比較して、沢田選手のペースが落ちた区間、ペースが変わらない区間を確認し、4周目または5周回目のどのあたりの区間でスパートを掛けるのかを考え、レースを進めていきました。

3周回目を終え、4周回目へ。

周回直後の直登で一気に先頭へ。
スパートのタイミングは4周回目序盤と定めます。
舗装路の下りで少し息を整え、最下部からの登り区間で一気にペースを上げました。

この行動でフィード区間までに、10秒ほどのタイム差を得ます。
しかし、60秒ほどの差が欲しいと考えており、さらにペースを上げる意識で果敢に攻めました。

その後の5周回目、6周回目と単独首位状態に持ち込みレースの主導権を握ります。

周回を重ねるごとに、身体にも徐々に疲労が現れ、楽をしたいと考える思考が働き何度もペースを落としそうになります。

その中で思い浮かべたのは、過去の自分の情けない走りでした。
UCI marathon seriesでペースが落ちてしまい惰性でしか走れなかった自分。
今年のSDA王滝で一旦バイクから降りて立ち止まってしまった自分。
前々週のCJ富士見で精神的な負の感情に負けてしまった自分。

今回は自分に絶対負けたくない。

他の選手ではなく、本当の己に勝ちたい。
そう思い、必死でペダルを踏みこみました。


7周回目、ラストラップに入るも攻めの気持ちは変わらず。
登りにおいても、ひと区間ごとを大切にすべてを出し切る意識で、また下り区間も最速のベストラインで攻めます。
それでも、最後まで何が起こるか分からないレースであるだけに、最後のシングルトラックが終わるまでは油断はせず、集中して走りました。

終盤のシングルトラック区間を終え、ゲレンデを降り、勝利を確信。


Coupe du Japon CJ-1レースにおいて、初めての勝利を手に入れることが出来ました。

PAXPROJECTチームにおいても、そしてアマチュアのクラブチーム史上においても、Coupe du Japonが始まって以来の歴史を変えることができ、とても嬉しく思っております。


私が本格的にXCO競技に参戦し始めたのが、3年ほど前から。
国内の最高峰のエリートレースを走るようになったのは去年度から。
エリートレース2年目にして、掴み取った勝利ですが、現在所属しているPAXPROJECTチームに入っていなければ、このようなことは達成できなかったのではないかと考えています。

PAXPROJECTチームは、勢いのある若手選手と、経験やスキルのあるベテラン選手といった2パターンの選手がいます。
そのどちらの選手も共存できるのは、互いの強い部分、弱い部分をそれぞれ把握し、様々な視点から指摘をし合い、色々な意見を交換できるからなのではと考えております。
さらに、チーム環境においても、”ひとりでそれぞれの”ではなく、”ひとりはみんなのために”、”みんなはひとりのために”といった、他の選手に対しての思いやりのあるチーム内環境です。

チームの色々な方々に支えられてきたからこそ、今回の優勝があり、チーム全員で勝利を掴み取った瞬間だったのではないかと、振り返ってみて思っております。

ですが、私個人としてもチームとしても、今回の勝利に甘んじることなく、また次の1勝を掴み取るためにも、突き進んでいきます。


最後になりますが、沢山のご声援、最高のサポートをして頂き本当にありがとうございました。

これからも、ジャージの肩に刻まれた”Joy”という言葉を胸に、競技の全てを楽しめるライダーを目指し、精進します。

ありがとうございました。



team PAXPROJECT 宮津


Thanks photo: 伊東 様, 素晴らしい写真をありがとうございます。



2017年5月31日水曜日

Coupe du Japon CJ-1 富士見パノラマ(春)


Coupe du Japon CJ-1 富士見パノラマ

2017年5月28日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート(8周回)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:6位 / 81名出走(19名完走)

サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT FS-29er Di2 with garmin edge 520

Distance:36.9km time:1°53'55" ave speed:19.4km/h

ave heartrate:172bpm max heartrate:183bpm  elevation gain:911m

wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire MIBRO for marathon TLR front&rear 1.6 bar

※Power data is not recording this race.


Coupe du Japon series 富士見パノラマ春大会に参戦してきました。

前週のSDA in 王滝 100kmの疲労が完全に抜けきっていない状態ではあったものの、多くの他の選手は前週にUCI-3 勢和多気に参戦しているため、条件は同じと捉えていました。

しかし、今回のレースに向けての平日の調整はそこまで行わず、いつも通りにこなすことを意識しましたが、これが疲労が抜けきらなかった原因かもしれません。
それでも、疲労を言い訳にすることはせず、レースが始まるまでの時間で自身で出来る限りのことを尽くしました。

前日試走においては、コースの流れの確認と身体状況の確認を並行して行い、機材を選択します。
今回は、私のCJレースでは初となるFS-29erのフルサスバイクをチョイス。
登りでのパフォーマンスを犠牲に、平坦を繋ぐ区間や、下り区間での縦の動きをリズムよく走るために選択しました。
脚の動きは、しっかり踏み込めるものの、いまいち脚の掛かりが悪くいつものような登坂での動きが出来ず、不安を残したまま試走を終えます。

レース当日になるも、脚の疲労は完全に抜けず。

レース前のウォーミングアップも、じっくり丁寧に踏み込むことを意識し、強い負荷の運動は極力避けました。

レースは定刻通り13時45分から。
周回数は長丁場と予想される8周回。

初めての最前列スタートではあったものの、スタートボックスは一番右側。
ボックス右側に行くにつれて、斜面は左肩落ちという路面。
左脚接地のスタートにしか対応出来ていない私にとって、完全にスタートで出遅れてしまうであろうレイアウトでした。


号砲が鳴りレーススタート。
スタートはやはり上手くいかず、またいつもとは違うバイク(フルサス)であるためか、ダッシュの動作にキレがなく、最初のシングルトラック入口時点の順位は15位前後と大きく遅れをとってしまいました。

それでも、長丁場のレースと予想していたため、焦らず前を追っていこうという思考にすぐ切り替えることができ、また幸い、周りの選手のペースもいつものCJシリーズ戦に比べると、若干ゆったりのように感じたため、前方に追いつけるチャンスもあるとも考えました。

3周目、4周目とレースが進むにつれ順位も次第に上がり5~7位あたりを走行。
この時はまだ、集中力もあり、脚の掛かりも悪くなく順位の上昇も見込めました。


しかし、6周目以降あたりから脚の調子が徐々に悪くなり、攣るような痛みはないものの、ももの張り具合が増し、登りで前半のようなパフォーマンスを出せなくなりつつありました。

さらに、暑さか序盤の疲労が原因か、集中力も低下してしまい、ロックセクションでラインを外してしまったり、コーナー手前で必要以上に制動させてしまったりと、フルサスバイクに有利な区間でタイムを稼ぐどころか遅くなってしまうなど、私自身が原因のミスが目立つようになりました。

そこからは、我慢の走りを強いられ、呼吸に余裕はあるもののもう一段階スピードレンジを上げることが出来ず、精彩を欠いた自身の走りにもどかしさを感じていました。

ラスト1周回に入っても、スピードを上げることが出来ず。
それでも、フィードスタッフの檄に応えたいと思い、フィード後から最後の登り区間まで、その時に出せる力を出し切りました。


最終的に6位でフィニッシュ。
1時間54分という、約2時間に及ぶ長丁場となったレースを終えました。


今回のレースは、前週のSDA王滝の疲労との戦いだったのではないかと、振り返ってみて感じました。
身体の疲労に限らず、精神的にも疲労している状態で、いかに良いパフォーマンスを発揮出来るのか、という点については多くの課題が残りました。

SDA王滝のような長時間マラソンレースではなくても、レース前半の比較的調子が良い時間帯と、レース後半の疲労してきている時間帯での精神状態は、XCOのレースもXCMのレースでも大した差は無いと今回のレースを通して実感しました。
具体的には、精神面での負の感情が増え、後続の選手に抜かされたとしても食らいつこうとせず、感情がペースを上げることを拒んだり、登りで力を入れることをせず惰性で楽に進もうとしてしまう手段を選んでしまうなど、自身への甘えが大きなネガティブポイントかと感じています。

レース後半の疲労してきている時間帯において、いかに良いパフォーマンスを出すことが出来るか、という点を意識して全日本選手権までの上半期のレースに取り組んでいきたいと考えております。


次戦は、6月11日 CJ-1 一里野となります。

最後になりますが、今回も沢山のご声援、素晴らしいサポートをして頂き、本当にありがとうございました。

team PAXPROJECT  宮津

Thanks photo; Sano sama, Kutsuki sama.

2017年5月23日火曜日

SDA in 王滝 2017 100km

SDA in 王滝 100km

2017年5月21日(日)開催

出走カテゴリ:100km (one-way course)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:総合1位

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT, IRC tire

Ride data of  PAXPROJECT FS-29er prototype Di2 with garmin edge 520 (Strava data)

Distance:93.9km  time:4°35'50"  ave speed:20.4km/h  elevation gain:2338m

ave heartrate:162bpm max heartrate:182bpm

Normalized power:271w TSS:267.8 work:3,639kJ


wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire MIBRO  for marathon TLR front&rear 1.8 bar

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)


SDA in 王滝 100km の部に参戦してきました。

昨年9月に行われた120kmの部門で優勝しており、今年も勝ち"連覇"をしなければならないというプレッシャーを感じておりました。
その反面、今シーズンは王滝チャンプであることを口実に、練習やレース面において若干のおごりがあったことも事実です。
しかし、4月末のUCI marathon series Australia に出場してからはおごりは一切無くなりました。
というのも、結果はボロボロで更に国外との差を改めて痛感し、私自身の本当の弱さと向き合い、どのようにすればもっと速く走ることができるのか、という点を一から考え直させられました。
そのこともあり、今回のレースは"ディフェンディング・チャンピオン"ではなく"挑戦者"として、昨シーズンまでの私は捨て新たな気持ちでこの大会に臨み、調整を積んできました。

また、挑戦者として臨むからこそ、新しい項目にチャレンジしたいと思う気持ちがあり、今回は2014年に山中選手によって記録されたコースレコードの4時間28分06秒、という明確なタイムに少しでも近づき、近年の5月王滝100km上位走者のタイムが低迷している状態を変えたいとも考えておりました。


レース当日は、昨年9月の大雨とは打って変わっての快晴。
あの大雨のレースを経験してしていただけに、天候が良いレースになりそうなことに、余裕を感じてしまいましたが、この時は"暑さ"が走りに影響するとは考えもしませんでした。

レース前のウォーミングアップは、短い時間でしっかり発汗させておくことを意識します。
パレード区間で体が冷えてしまうと、その後の走行に影響がでることを昨年度のレースで感じその反省を生かしました。
3本ローラーにて10分程で仕上げます。

また、昨年度のキングオブ王滝が私であることから、今回はレース前に選手代表として安全祈願を受け、お祓いをして頂きました。
photo: h.miyazu
100km部のレースは早朝の朝6時にスタート。

photo: h.miyazu
未舗装路に入るまでの移動区間である舗装路はパレード走行。

10分ほど走行し未舗装路に入りリアルスタート。
私が先行し、勢いよくコースに飛び出していきました。

今回のレースはそれなりにタイムを意識していただけに、集団で牽制しながら進む行為を私は避けました。
そのため、ある程度速いペースに合うライダーが居ればその選手と、もし居なければ最初から独走する思考でレースを進めていきました。

その中でも、過去にキングオブ王滝の経験があり、王滝のコースを熟知されている team SCOTTの松本選手と第一区間の最初の登りが終了した時点でランデブ状態になります。

2人のパックで走行していきながらも、完全に密着している訳ではなく、起伏が多い尾根沿いの区間はお互いの優位性がある区間で先頭を交代していき、ハイペースを保ちました。
松本選手は登り返しからの動きがとてもスムーズで、下りで固まった脚を上手くほぐすことができるような高めのケイデンスでペダルを回し、毎回の登り返しで若干の差をつけられてしまったように感じました。
それでも、決して引き下がろうという思考は考えず、私も登りや下りのどちらにおいても積極的に前に出てペースを保つことに努めます。

第一チェックポイントが徐々に近づき、タイムを意識し始めますが、予定タイムよりもかなり早く通過してしまいそうな流れ。
松本選手にもその旨を確認しましたが、日中暑くなることを予想しての前半のハイペース、と語られていました。

第一チェックポイントは、1時間44分30秒前後。
予定通過タイムは、1時間47分。

このタイムが、オーバーペースか単に調子が良いだけかはこの時点では把握できませんでした。

その後は若干ペースが落ちたように感じられましたが、尾根沿いからダム湖周辺の区間に向かう長い下りで上手く私が抜け出し、単独のトップに立ちます。

ここからは、ゴールまでひたすら一人旅。
脚も良く動き、腰や手首の痛みもさほど出ていない状況であったことから、今日は調子が良い、コースレコードを狙っていこうという思考に切り替え淡々と踏んでいきました。

しかし、第二チェックポイントを前に身体状況が変化していきます。
気温が急激に上昇し始め、脱水や熱中症を感じさせられる若干の寒気と空腹、更には心配していた腰痛が悪化し始め、ペダルを回す脚に勢いがなくなりつつありました。

第二チェックポイントは、3時間11分で通過。
予定タイム3時間10分からは1分遅れでしたが、前半のタイムから考えるとペースは相当落ちていると感じ、感情が余裕というポジティブから、焦りや不安といったネガティブへと変化していきました。

その後の走りも、先ほどのような力が出ず、本来のパフォーマンスを発揮出来ていないと感じ、精神面のモチベーションもかなり低下してしまったと感じました。

そして、このコース一番の難所でもある第二チェックポイント後のガレ場の登り区間に突入。
この区間にギリギリ足りるようなギア比(34t × 40t, ギア比:0.85)の機材構成で臨みましたが、全く踏み切ることができず。
また、腰痛もピークに達してしまい、自転車に跨っていることすら辛くなってしまいます。

身体は限界を超え、精神面も負の感情ばかり。
これではどうしようもないと考え、一度自転車から降りる決断をしました。
10秒ほど立ち止まり、痛む腰を伸ばして気持ちをリセットしました。
その後はまた自転車に跨りますが、先ほどと同様に力が出ず、惰性でなんとか進みます。

そんな中考えたのは、4月末に行われたUCIのマラソンシリーズでの走り。
その際も、後半ペースを落としてしまい、今回と同じような状況になったことを思い出しました。
2度も同じ失敗を繰り返す訳にはいかない。
弱い自分が絶対に許せませんでした。
それと同時に、私の思考が徐々に攻めの気持ちである本来の思考に戻りつつあり、身体が痛み本来のパフォーマンスが発揮できないと分かってはいながらも、最後まで攻め続けよう、というポジティブな思考に戻りました。

第三チェックポイントを前に42km部門の選手との並走区間に入ります。
速度差があるので、お互いが安全に走行できる間隔で抜かすことを極力心掛けました。

第三チェックポイントは3時間48分。
予定タイムの3時間45分からは3分遅れで、コースレコードからは完全に遠のいてしまいました。

しかし、攻めの気持ちは変わることはなく、出し切るつもりでペダルを踏みこんでいきます。
その中でも、支えになったのは42kmの部門の選手でした。
どの選手もこちらが声を掛けるとスムーズに避けて頂き、更には応援や激までも頂いてしまいました。
苦しい思いをしているのは、私だけではない。
どの選手も、ゴールするために必死にペダルを回している。

身体はどうなっても良いからただ単純にゴールを目指そう、というとても大事な初心に戻ることができました。

86km過ぎの最後の登りを終え、最後の長い下り。
左手首が痛み出したものの、自然と笑顔になり、走っていて楽しい、という感情に戻ることができました。

ゴールが近づくにつれてペースが上がり、下りを楽しみながらも、最速のベストラインで攻め、最後の最後まで集中して走りました。

遂にゴールゲートが見え、優勝を確信。

無事に昨年9月からの連覇、総合優勝という形でレースを終えました。
photo: h.miyazu
タイムは4時間35分50秒。
コースレコードには遠く及びませんが、この時出せるパフォーマンスを出し切った結果なので、結果として素直に受け止めています。


振り返ってみて、今回のレースは今までに経験したことのないような事象がレース中に起こってしまい、また前半のオーバーペースのツケを後半にどう処理をするのか、という点が大きなキーポイントとなりました。
中でも、予想外の腰痛や、精神面の乱れからくるパフォーマンスの低下等、レース中に発生した問題をレース中にどう良い方向にもっていけば、本来のパフォーマンスに状態を戻すことができるのか、という点については改めて考えさせられました。
それでも、UCIのマラソンシリーズではできなかった、前半から積極的な動きというものはしっかり出来たのではないかと思いますし、すべてが悪いことばかりではありません。
さらに、独走をする=孤独、自身との本当の闘い、というイコール関係になることもとても良く理解することができ、私は精神的にまだまだ弱いな、と実感させられました。

良かった点、悪かった点をしっかり把握し、次回のSDA in 王滝に繋げられるよう、課題を持ち今後も取り組んでいきたいと考えております。


最後になりましたが、今回はレース前からレース後まで、本当に色々な方にお世話になりました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
本当にありがとうございました。

photo: h.miyazu
次回の王滝は3連覇が掛かるレースとなりますが、チャンピオンではなく、コースに挑む一人の挑戦者として、また戦わさせて頂ければと思います。

次戦は5月末のCoupe du Japon富士見、その後もレースは続きます。

レースに関与された方々、参加された皆様、改めてありがとうございました。
そして、お疲れ様でした。

team PAXPROJECT 宮津


Special Thanks,

PAX CYCLE:FS-29er, carbone fat wheels

IRC tireMIBRO for marathon TLR 29

dirtfreak:RockShox SID 29 & Monarch XX, SRAM GUIDE ULTIMATE

HT pedal:LEOPARD M1

Alternative Bicycleswolftooth 34t PCD104

2017年5月11日木曜日

Coupe du Japon CJ-1 びわこ高島 朽木

Coupe du Japon CJ-1 朽木

2017年5月5日(金)開催

出走カテゴリ:男子エリート(6周回)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:2位 / 81名出走(25名完走)

サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT, IRC tire

Ride data of PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520

Distance:21.5km time:1°20'48" ave speed:16.0km/h

ave heartrate:177bpm max heartrate:186bpm

wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire MIBRO for marathon TLR front&rear 1.7 bar

 Normalized power:343w TSS:128.6 work:1,316kJ

 Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 32t)


CJ-U 八幡浜、UCIマラソンシリーズ オーストラリアからの3連戦目であり、UCIマラソンシリーズから中4日の強行スケジュールで、CJ-1 朽木に参戦してきました。

帰国した翌日、レース3日前の調整練習では、コース中のセグメントにて今までに出したことの無いような遅いタイムでしか走れず、脚を含む身体的疲労以外にも環境や気候による変化への対応によるストレスといった、想定外の外部要因によって精神的にも疲労していると感じました。

会場の朽木スキー場には、レース前日に現地入り。
コースの概要は既に掴めていたので、細かいアレンジの加わったセクション等のポイントを確認するのみで試走は考えます。
昨年、一昨年とレース中にパンクしているこの朽木。
入念に試走したい気持ちもありましたが、オーストラリアからの疲労具合も考え、できるだけ短く済ませ、チューブレスタイヤにて2周回、チューブラータイヤにて2周の計4周回の試走にて仕上げ、登りではしっかりパワーも掛かり、今回不安としていた精神的疲労によるパフォーマンスの低下は起こらないだろうと考えました。

レース当日は、昨年とは打って変わっての快晴で穏やかな風向。
熱中症や脱水といった暑さ対策を考慮しレースに向けて準備していきます。

レース前のアップでは、朽木のコースに対応した内容で仕上げます。
身体を温める時間をいつもの3/4程度で抑え、その代わりにシッティングでパワーを掛けていく実走での運動を10分程取り入れ、脚も身体も呼吸もバランスの取れた状態であると確認し、スタートラインへ並びました。

スタート時刻は13時40分。
スタート位置は2列目最右側。
photo. 伊東様
スタート直後に発生した落車等には巻き込まれず、順調に長い登りへと入っていきます。
昨年とは違い、牽制は掛からず比較的速いペースで1周目は進んでいきます。
その中でも、周りのライダーの息づかいや余裕の確認、また私自身の身体的余裕の確認はしっかり行えている状況で、しっかり頭は動いており精神的余裕をもってレースを進めていきました。
photo. 田村様
今回は、登りでの踏み方の調整と、下りで大きなミスを起こさないという点を意識しレースに臨みました。
特に登りにおいては、朽木のコースの登りは、登っている時間が長い上に斜度の変化が多いというレイアウトが特徴です。
最大急斜度に最少ギアを合わせ(32×40t; ギア比:0.8)、勾配が緩い区間は脚の回転力や推進力、心肺機能を使って、脚の筋肉を労わる登り方を行い、逆に、勾配が急な区間は重いギアをしっかりトラクションが掛かるように上半身も使い強く踏み込み、脚の筋肉を労わらない登り方を、それぞれ意識して登りを攻略していきました。

photo. 伊東様
3周目あたりから、単独の2位に浮上。
先頭は弱虫ペダルサイクリングチームの前田選手。
登りでこちらが差を詰めては下りで彼に離されてしまい、差は15~30秒ほどでしたが一気に近寄ることができず、この状態で4周回目終わりまで進みます。

5周回目に突入、第一区間の登りで少しリズムを変えて一気に前田選手の背後に近寄りますが、後ろから見る限り彼はもう一段ペースを上げられそうな走りで、余裕がありそうに伺えました。
私の方は、あと1周回のイーブンペースにしか耐えきれるような脚しか残っておらず、背後にいる時点でも彼の強さを感じながら走っていました。
photo. 伊東様
最終周回の6周回目、読んでいた通り前田選手が軽くペースを上げます。
それを追走していた私、軽く千切られてしまいました。(笑)
ペースは無理には上げず、下りでのパンクに注意し冷静に最終周回を進めていきます。
フィード前の登りで、リアのアクスルを締め直すため15秒ほど自転車を降り停止しましたが、最後まで集中し走りました。

最終的に2位でゴール。
無事に八幡浜からの3連戦を終え、今回の朽木ではCJ-1でのベストリザルトを更新することが出来ました。


レースが終わってから数日が経過してしまいましたが、やはり母国でのレースは他人とのコミュニケーションを取ることができ、ストレスが無い状態でレースを走ることが出来る点がとても良いと改めて実感できました。
しかし、海外の選手の走りを間近で見てからであったために、ベストリザルトを更新したものの何か物足りなさ、私の能力の低さを感じてしまいました。
XCOのレースはXCMのレースにも必ず活きるので、国内のCJ戦はこれからも意欲的に取り組みたいと考えております。

次戦は5月21日のSDA in 王滝 100kmです。
昨年よりも私自身のアクティビティレベルは確実に上がっており、順調に進めることができれば良い記録を狙えると考えています。
去年までの私は捨て、新たな気持ちでレースに挑みます。

最後になりますが、今回もサポート・応援ありがとうございました。


team PAXPROJECT  宮津




2017年5月8日月曜日

UCI crosscountry marathon series in Australia

UCI crosscountry marathon series in Australia

2017年4月30日(日)開催

出走カテゴリ:elite men(1/2 lap + 3 laps = 88km)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:10位(出走17名)

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT FS-29er prototype Di2 with garmin edge 520

Distance:98.8km time:4°46'53" ave speed:20.9km/h

ave heartrate:164bpm max heartrate:182bpm

wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire SERAC XC 2.1 front&rear 1.7 bar

Normalized power:236w TSS:222 work:3,313kJ

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)


4月30日開催のXCMオーストラリア国内選手権と同時開催で行われた、UCIマラソンシリーズに参戦してきました。

日本国内においてのXCMの認知度はまだまだ低いですが、MTBの本場オーストラリアではXCOに並ぶほどの人気があるそうです。
それは、XCO競技よりも競技時間が長いXCM競技のストーリー性、また自分自身とのと闘い、といった点がホビーライダーからの支持を受け、今回のレース前日には一般ライダーも気軽に参加できる年代別クラスに加えて、子供のライダーも参加できるジュニアクラスやユースクラスが設けられていました。


レースが行われる会場は、オーストラリアの北東に位置するタウンスビルの郊外にある、常設のトレイルコース。
起伏は少ないものの、山肌の傾斜を上手く利用され作られているコースで、登りで岩を超えていく難しいセクションも存在しましたが、長く走っていても飽きが来ないような、日本には無いようなコースでした。
コース1周回のうち7割がシングルトラック、残り3割が未舗装路のダブルトラックというレイアウト。
コースは大まかに3分割することができ、1区間目は高低差は少ないが突発な急カーブ、登り返し、岩の間をすり抜けていく全体的にテクニカルな区間。
2区間目は難しい登り区間を含む小さな山の頂上まで一気に上がっていき、後半は切り替えしが多い下りを一気に降りるセクション。
3区間目は細かな砂利が敷き詰められ、高低差がほぼ無いパワーセクションのダブルトラックセクション。
全体的にコースの難易度は高く感じ、休みどころが無く、脚の疲労以外にも上半身の疲労や振動を受け止める手首や腕の筋肉、脚の裏に疲れが溜まることが予想されました。


レース当日は連日に続く快晴。


レース前の招集時に、コミッセールからのライダー向けの説明があり、それを聞き取ろうと試みますが、かろうじて周回数や距離に関する情報しか聞き取ることが出来ませんでした。
レースは1周回目はハーフラップ、2周回目以降はフルラップの全4周回で行われました。
photo. h.miyazu

レースは現地時間の8時45分(日本時間7時45分)スタート。


参加人数は17人と少ないものの、オーストラリア国内選手権を兼ねているだけあり強者揃いで、スタート直後からのポジション争いは、まるで日本国内のXCOレースのようでした。
後方スタートの私はトップ集団から一気に置いていかれてしまい、後方の14位争いの第3パックに位置して1周回目のハーフラップを進めていきます。
しかし、このパックの先頭の選手は前の第2パックについていくことが出来ず、また抜かしどころの無いシングルトラックであったので、先頭パックから徐々に遅れをとってしまう形になりました。
かと言って焦って前のライダーを抜かそうとしても、落車やパンクのリスクもあったため、1周回目はパックの後方でレース後半に向けエネルギーを蓄える動きを取ります。
2周回目に入る前のダブルトラック区間で、やっと第3集団の先頭に立つことができそこから前の第2パックを追う展開になりますが、目視では60~90秒ほどの差、第1パックは3分程前との情報を得ることができ、1周回目の控え目なスタートをしてしまった自分を悔やみました。


2周回目は、第2パックとの差を少しでも縮めようと、上記で記載した1区間目は自分のペースでいき、2区間目の登りの区間で一気にペースを上げ、第2パックとは30秒以内まで詰めることに成功しました。
しかし、そこからは大きく差を詰めることは出来ず、そのまま2周回目が終わるのかと思いましたが、スタートゴール地点の前のフィードゾーンで、第2パックのライダーが止まっていました。
トラブルかと思いきや、ボトルの水分を補充したり、バナナを食べていたりする姿が見受けられ、自分もフィードで一旦止まりたい気持ちもありましたが、コーラが入ったボトルだけ受け取り、第2パックのライダーと一緒にリスタートしました。


3周回目以降は、急激に気温が上昇し始め、ただでさえ強い日差しのこの地域ですが熱中症気味のライダーが増え、第1パックのライダーもレースを止めてしまうライダーも出始め、コース途中にあるチェックポイントで止まっている姿も見かけました。
私も、強い日差しに軽い脱水と一歩いけば熱中症となりそうなギリギリのところでしたが、ゴールまで走り切れそうな安全なペースに切り替えレースを進めていきます。
そんな3周回目、コース慣れし1、2周回よりも速いラインどりを心掛け1区間目を攻めていた矢先、リアタイヤを岩にヒット。
エアは一気には抜けませんでしたが、かなり低圧状態に。
幸い完全にパンクはしなかったので、2区間目の前のチェックポイントまで安全な速度で走行。
その後、ポンプにて空気を補充しました。
その行為を見ていたマーシャルに、CO2ボンベは無いのか? と質問をされたのですが、CO2ボンベはあるが、ここでは使いたくないと返答したかったものの、何と表現したらよいか分からず、サドルバッグにはあるとサドルバッグを指さして、適当な表現をしました。
空気を補充してリスタート。
前のライダーとは2分程差が開いてしまいましたが、諦めずに前を追います。
4周回目前のフィードでは、流石に私も一旦止まり、ミネラルウォーターをがぶ飲みし、前のライダーとの差を聞き、現在私が10番手という情報も得ました。


4周回目はさらに暑さも増し、補充した750mlの飲み物でも足りないほど喉が渇き、発汗してしまいました。
また数名のライダーがレースを止めているのを確認し、私にも負の気持ちが過ぎりましたが、ここで止めてしまってはせっかくオーストラリアまで遠征に来た行為が全て水の泡になってしまうと思い、地を這ってでも絶対ゴールしようと思いました。
走行ペースも練習ぐらいのスピードしか出せず、情けない気持ちになり、自分は本当はここまで弱かったのか、と悲しい感情になりました。
それでも最後のダブルトラックのパワーセクションではしっかり力を出し切り、思い残しのないようにペダルを踏みます。


結局は私が最終走者だったようで、最終的に10位でフィニッシュしました。
photo. h.miyazu


photo. h.miyazu
トップのライダーとは35分もの差があり、今現在の私の立ち位置や、オーストラリア、また世界レベルでは全く通用しないという事を痛感しました。
しかし、XCMのUCIポイントは10位フィニッシュの為 +32pt入り、オーストラリア遠征の目的は達成することができ、ホッとしている部分は大きいです。
PAXPROJECT FS-29er ; ホイールはPAXPROJECT カーボンファット
IRC tire SERAC XCもマラソン系のレースとの相性は良いと感じました。
日本国内では公式なXCMのレースはまだない為、私のように海外のレースに参加することしかXCMの現場を体験することは出来ませんが、いずれかは日本国内でもこのようなXCMのレースが開催されることを祈っております。
そして、世界レベルで戦うことが出来るライダーが増え国内においてもXCM競技の発展になればと考えております。


team PAXPROJECT  宮津 旭






















2017年4月27日木曜日

Coupe du Japon CJ-U 愛媛 八幡浜


Coupe du Japon CJ-U 八幡浜

2017年4月23日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート(6周回)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:総合10位(エリート 8位)

サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT

Ride data of PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520

Distance:25.8km time:1°26'10"

ave:heartrate:178bpm max heartrate:189bpm

Normalized power:305w TSS:111.6 work:1,205kJ

wheel / tire:PAXPROJECT carbone tubular / A.dugast Fastbird 50c F&R:1.5bar

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 32t)


今シーズンのCoupe du Japon もいよいよ開幕し、その初戦としてCJ-Uにカテゴライズされ、UCIレースにあたる八幡浜大会に参戦してきました。

今年の冬季シーズンは、質より量 内容よりもまず距離を踏もう と考え練習を行ってきました。

距離を踏む目的は、マラソン系のレースに対応した練習をするということももちろんありますが、まずは昨シーズン痛感した地脚の足りなさからくる、基礎体力レベルの低さを改善したいと思う部分が大きく、ある一定ペースで距離を踏むエンデュランスライドを中心に練習を行ってきました。

もちろん、今回のレース直前ではスピードを強化することを意識した練習も取り入れ、去年のアクティビティレベルを上回ったスコアを出すこともでき、冬季のトレーニングは無駄ではなかった、という事も実感できました。

そんな前置きがありましたが、今シーズン初戦ということもあり、手探りな部分が多いレースとなりました。

八幡浜までは、クルマで移動。レース前日の午後に試走を行い、コースをチェックしていきます。
とはいうものの、八幡浜に参戦するのは今回が初めてとなりコース自体を一から覚える必要がありました。
それもあり、コースを覚えるということばかりにフォーカスがいってしまい、複数のラインを模索したりする思考にまで至らなかったことは、今回のレースの失敗でもありました。
5周回ほど試走し、コース全体の流れ、重要セクションでのラインなどを確認しました。

レース当日、会場入りし機材の準備を一通り済ませレースに向け集中を高めていきます。

アップは60分前から開始。去年同様に3本ローラーを使い負荷値を徐々に上げていき、脚に刺激を入れていきました。

レース開始は13時30分から。


スタート位置は2列目右寄り。周回周は6周。

スタート直後は15番手程と、自分が予想していたより足の掛かりが悪く、動きにキレが無いように感じました。
また、序盤のシングルトラックでは試走時はスムーズに走れていたラインが、思うように描けず、コーナー手前で必要以上に制動させてしまったりと、自分の中でも焦っているように感じ、レーシングスピードでのシングルトラック走行で、明らかに目が付いていかず、前方の選手についていく事がやっとの状態でした。


それでも3周回目以降は、なんとか自分のペースを掴み始め序盤に比べるとスムーズに走ることができるようになってきました。


それとは裏腹に、路面が固い上にスピードレンジが比較的速いコースのせいか、腰に少しずつ痛みが出るようになってしまし、登りでの本来のパフォーマンスが発揮できない状態に陥ってしまいます。
XCOの競技上、ペダリングを止めることは極力避けたいものの、やむを得ず下りでは腰を伸ばす等の動きをし、腰痛改善を試みました。
それでも、腰痛は改善せず。


5周回終了時までに、順位総合10番手まで浮上したものの、最終周回で更に順位を上げることは出来ず。

結局、初の八幡浜は総合10位、エリートでは8位でレースを終えました。

今回のレースは、今シーズン初戦という事もあり、レースを含めてもかなり手探りな部分が多く、作ジーズンと同じこともやっていても通用しないということを痛感しました。
しかし、昨シーズンよりは明らかに成長できていると感じる部分も多く、今シーズンこれからのレースに繋げることができる良いレースになったのではと考えております。


新しいシーズンという事で、色々と意識し高みを目指していきたい気持ちはありますが、まずはレースを楽しむという点を忘れず、自分らしくレースに取り組んでいきたいと考えています。

次戦は、オーストラリアで開催のUCI マラソンシリーズに参戦し、その後は中4日のスケジュールでCJ-1 朽木に参戦予定です。

最後になりますが、応援・サポートありがとうございました。

今シーズンも、どうぞよろしくお願いします。

PAXPROJECT 宮津

Thanks photo. Tsumita sama, Miyata sama.