2016年9月14日水曜日

Coupe du Japon CJ-1 白馬スノーハープ

Coupe de Japon 白馬スノーハープ

2016年9月11日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート(4.4km×6周回)

リザルト:8位/68名出走

サポート・バイクメンテナンス:PAXPROJECT

Ride date of  PAXPROJECT XC-29er Di2

distance:28.8km  time:1°26'05"  ave speed:20.1km/h

ave heartrate:175bpm  max heartrate:184bpm

normalized power:308w  training stress score:116.3  work:1,217kJ

全日本MTB選手権から2ヵ月、久しぶりのCJ戦 白馬スノーハープに参加してきました。

この夏は王滝に向けて乗りこむ事より、CJレースの登りでパワーを出せるような練習に着手し、FTP以上の領域を意識して練習してきました。

その練習のベースとなっている項目に関しては、以前書かせて頂ました。
http://yroppi88.blogspot.jp/2016/09/blog-post.html

前日の流れに関しては、いつものCJ戦と同じ。試走の段階で、自分が得意と感じるセクション、苦手と感じるセクションを探し、それぞれレーススピードを想定して速い動きを入れておきました。
また、苦手なセクションに関しては、何回かリピートし自身が納得の行くまで取り組みました。
しかし、速いライン、確実なラインにばかりフォーカスポイントがいってしまい、エスケープライン等の複数のラインを探すことが出来なかった点に関しては、失敗したなと考えさせられました。

レース当日。
前日に発泡酒等のアルコール摂取し気持ちよく睡眠でき、レース前日の自身にしては珍しい8時間しっかり睡眠することができました。
会場に入りのんびりした後、レース75分前からアップ開始。前日までの疲労が若干残り気味で、それも考慮して、ダッシュ系の動きを少な目に、アップ時間も短めにし、その代わりストレッチやイメージスィンキング等のリラックスする時間を多く取り入れました。


久しぶりのCJということで、若干の不安となんとなくワクワクする感覚を持ちスタートラインへ。
スタート位置は2列目右側。

スタートは比較的スムーズにいき、スタート直後の太鼓橋で出しきらず少しためるイメージで序盤のセクションを10位前後でクリア。とにかく、前半は周りの流れに乗り、ペースを維持することに専念します。


しかし、久しぶりの全開走行でのシングルトラックに直ぐ対応することが出来ず、思うようにスムーズなコーナリングが出来ませんでした。若干のマッドセクションで、必要以上にブレーキを掛けてしまい、コーナーの進入はある程度勢いがあるものの、立ち上がりで他の選手よりもワンテンポ遅れてしまします。頭では分かってはいるものの、身体は素直で脳の指令を聞こうとはしないものです(笑)。

それでも、登りパートにおいては太鼓橋や砂利の登り、中盤の舗装路の登りは積極的にダンシングを取り入れ、高出力の出せるようなクライムをしていきました。
登りで引き離し、下りのシングルトラックで追いつかれる。自分の典型的なスタイルと化してしまっていますが、今回もこのイメージを持ち、他選手との駆け引きをしていきました。


中盤以降は、多少順位を落とすものの8位でファイナルラップへ。

太鼓橋でスタートラップの次に高い出力を出すイメージでガシガシ踏んでいき、太鼓橋が終わった後のシングルトラックへ。
この第一シングルには、ラダーの間を丸太で繋いだセクションがあり、毎周回ヒヤヒヤしながら通過しましたが、この最終周回だけは、行ける!となぜか確信が持てました。
そしていよいよラダーセクションへ。丸太越えの部分に全神経を集中させ、ひょいっと行こうとします。が、丸太とラダーを繋ぐ僅かな段差、そこでフロントがスリップ。
その直後バイクは下に落下し、自分はラダーを勢いよくでんぐり返しで転がり落ちました。
一瞬何が起こったのか直ぐに理解できませんでしたが、立ち直った直後左手首が痛み、あ、コケたのかと実感します。
結局、ラダーセクションはクリア出来ず、行ける!と確信したのは何だったのだろうかといった感情しか浮かびません。
しかし、大きな怪我等は無く、レースは続行できそうであったため、無理のないペースでゴールまで走り順位変わらずの8位でレースを終えました。


CJ後半戦の初戦らしく、課題が多く見つかりレース内容としてはあまり満足の行くものにはなりませんでしたが、無事に終えてホッとしています。
出力面に関してはそれなりにやってきたものを発揮することが出来ましたが、やはり技術面に関しては欠落している部分が多く見受けられ、XCOの複合競技の難しさを痛感させられました。


レースデータの考察に移ります。
今回もリアホイールはパワータップを使わせて頂き、パワーデータをいつものように取りました。

先ほども記載しましたが、この夏に意識して強化した箇所は主にFTPから上の領域である、VO2maxとアネロビック強度での運動でした。

CJのコースの多くは、1周回12分~15分程で構成されており、1周回のうち登りを占める時間帯は1/3~1/2の割合になります。
ですが、5分以上連続で踏み続けるというシチュエーションは殆ど存在せず、ほとんどは数十秒から2分程の単発的な登りがメインとなり、これを1周回で数回登る、というのがコースの特徴です。

これを参考に、短時間の高強度を反復させる練習を多めに取り入れました。
またシッティングではなく、ダンシングで無理やり踏み切り、身体全身を使いいかに追い込み切れるかにフォーカスを当てて練習を行ってきました。

以下は今回のレースの出力の時間分布になります。


狙った通り、recovery領域の次に多い時間帯はアネロビック強度を含むmaximum強度の時間でした。
この点に関しては、夏場の成果が多少は出せたのではないかなと考えています。

W' balに関しての時間分布は以下の通り。


W'balance とはCP(クリティカル・パワー)(:ある時間あたりに出せる出力の限界値)を基準に考えた時に、CPを上回った時間で運動し続けた際に残っているエネルギの残量(と自分は考えています。)です。要は残量ですので、20kJが最大値(身体の余力max)、0kJが限界値(余力ゼロ、出しきっている)ということになります。レース時はゴールに向けてW'bal 0kJになるよう最大努力します。
ちなみにW' の単位は、運動量ですのでJ(ジュール)になります。

W1~W4については、W1:比較的余裕を持った状態で運動できている~W4:とてもキツイ といった指標数値になります。

このW'bal は出力と対比させて考えて頂くと分かりやすいかと思います。

以下の2つの折れ線は、1周回目のデータになります。
上部が出力、下部がW'bal になります。


序盤の2分間で、平均出力400wは上回りますが、W'bal は降下し0kJに近づいています。
この2分間はスタートでのもがきと太鼓橋の区間で、コース中で一番負荷が掛かるセクションではないかと考えていますので、エネルギをそこでしっかり消費出来ていることが分かります。
その後はW' は徐々に回復傾向にありますが、細かいアップダウンがある度にW' の値は増減していました。
今回は省略しますが、2周目以降もグラフの概形はほぼ同じになりました。

この数値やグラフから分かることは、XCOの競技の特性である、短時間で高強度の運動が入ることと、それを如何に短時間で回復させられるかがカギを握っているのではないかと考えています。

何度も言っているかと思いますが、複数の項目が混ざったXCO競技で登りパートはその一部分に過ぎませんが、一番効率よく練習で効果を引き上げられる部分であるからこそ、自らのデータを解析し、試行錯誤することは必要であると私は考えています。

ですが、私は下りパートが苦手(下手くそ)ですのでそちらの強化方法も探さなければと思っていますが、これに関してはひたすら感覚を磨くしか無いのかと思いますので、イマイチ書き辛いものです。

年内にCJ戦は少なくとも残り3戦はありますので、残りのレースは今回の結果を活かせればと考えております。

そしてついに、今週末はSDA王滝120kmとなってしまいました。
王滝に対応した練習は殆ど出来ませんでしたが、出るからにはしっかり納得の行く走りができればと思います。

それでは。

PAXPROJECT 宮津

photo by. tsumita様, ito様  いつも ありがとうございます。

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