2016年10月13日木曜日

Coupe du Japon CJ-1 白山 一里野

Coupe de Japon 一里野

2016年10月9日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート(start loop + 4.15km×6周回)

天候・コースコンディション:曇り/雨・マッド

リザルト:3位/51名出走

サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT

Rida data of  PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520

distance:22.9km  time:1°31'16"  ave speed:15.4km/h

ave heartrate:170bpm  max heartrate:181bpm

normalized power:322w  training stress score:134.5  work:1,367kJ

ホイール / タイヤ:PAXPROJECT carbon tubular / A.Dugast Rhino XL 47c  F:1.6bar R:1.6bar


CJ白馬 からの5連戦目、CJ-1一里野に参戦してきました。

連戦の疲労もそれなりに出てきており、体調としては万全な状態で臨めなかったものの、調整の段階で毎週通っている峠での自己ベスト更新など、比較的脚の方は良い状態で臨むことができました。

また翌日にJCXの開幕戦の茨城クロスを控えていたため、どういったレースを展開するのかが一つのポイントとなりました。

前日からの雨の影響で、コースは妙高に続いでまたまたマッド。
しかし、妙高よりもコースとしての難易度は下がっており、また斜度もきつい箇所と緩やかな箇所との区別がしっかりしており、斜度に対しての登り方を上手く使い分ける必要があることも試走の段階でしっかり把握することができました。

スタートは13時40分から。
スタート位置は2列目右寄り。

スタート直後の直登は、大半の選手がランニングになることが想定されましたが、スタートループ時のみはその後もゲレンデ登りが続くため、スタート直後の直登はゆっくりでも構わないので乗車し、その後の登りで自分の定位置まで上がるという戦法を取りました。
その戦法通り、直登で多くの選手に抜かされたものの、その後は10位前後まで順位を上げることができました。

レース序盤の登りは周りの選手に合わせながら、また下りは大きなミスの無いように丁寧に下ることを意識しながらレースを進めていきます。

レース中盤に差し掛かっても、呼吸も一定で脚の余力もまだあり、6位、5位、4位と次第に順位を上げていき、5周目でついに3位にまで浮上。

そしてラスト1周回に突入。
翌日に向けて疲労を考えながら守る走りをするか、それとも登りで出し切り翌日のことを考えず攻める走りをするのか、私は迷わず後者を選択しました。

とにかく登りで出し切ろうと、できる箇所ではダンシングを入れ登りの関してはアグレッシブに、下りに関しては大きなミスだけは出さないように、それでいて一番速いと考えたライン取りで攻めます。

2位浮上も狙いましたが、結果は変わらずの3位でフィニッシュ。


リザルトから見れば納得のいくものとなりました。
PAXPROJECTチームではCJ-1での入賞が今までに無く、それを達成すとことができた事は素直に嬉しいと思います。

しかし、レースの内容としては後半から追い上げる後半型のいつも通りの流れとなり、前半もう少し前の方で展開できていれば、という心残りもありますが、現状でできることはしっかり出せたのではと考えています。


パワーデータに関しての考察です。
今回から、クランク型のパワーメータ Quarkを使わせて頂けることになりまして、チューブラー・チューブレス問わずパワーデータをとることが可能になりました。

最近私が着目している点は、ダンシングパワーの効率についてです。

XCO(クロスカントリーオリンピック)の競技の特性上、登りの時間が数十秒~数分であることから、シッティングではなくダンシングで全ての登りをクリアする方が速そうに見えることはなんとなくお分かり頂けるかと思います。

ダンシングのほうがシッティングよりも速く登ることが出来る理由。
それはダンシングの方が、ぺダルの踏み込み時(入力時)に自体重分の出力を入力できる、という点が理由になると考えます。

しかし、身体を上下左右に揺らすため、余計なエネルギを消費してしまい、更に心拍数も急激に上がってしまうという考えから、極力ダンシングを入れずシッティングで回すというスタイルを以前は取ってきました。

この考えが変わった大きな転機は、今年のシーズン後半に入ったCJ-1白馬から。
スタート直後の太鼓橋の斜度を速く登るためには、シッティングではなくダンシングを使い、回すより踏み込むペダリングが出来ないと、ある程度の速度が出せないことが実戦で分かりました。

今回のレースでは、路面がマッドであったためそこまで多くダンシングは多用できませんでしたが、周回によって微妙にシッティングとダンシングを入り混ぜることも意識しつつレースを展開しました。

※2 rap data
※6 rap (final) data
 
2つのグラフは今回のレースにおいてのグラフで、上が2周回目、下が6周回目のグラフになります。
上段の縦軸が出力、下段の縦軸がW'bal。また横軸は時間分布です。

2周目と6周目を選んだ理由は比較的ラップタイムが近かった為です。

W'bal のエネルギ消費量は、コースが同じであるため波の起伏にそこまで差がありませんが、6周回目の方が全体としてのエネルギの消費具合は、若干多いことが分かります。

今回着目したいのは、前半の出力。登りパートの部分です。
その部分でも差があったのは、真ん中より左寄りの波形。

グラフの波が立っていない2周目に比べ、6周目は一か所波が立っている部分があります。
実は2周目はこの区間はシッティングでしたが、6周目はダンシングでクリアしました。
やはりグラフデータからもシッティングより、ダンシングの方が出力が出せる、ということは分かりました。
しかし、その分のエネルギ消費が増加していることも下のW'bal から読み取れるかと思います。

この結果からも、ダンシングはやはり使った方が登りにおいては出力を出せることが分かりましたが、それに伴うリスク (ここで言う、ダンシング直後のエネルギ消費の増加・その後のパフォーマンスの減少) はどうしても増えてしまいます。
問題は、ダンシングを多用した後に身体の疲れをいかに早く取り除くかと言う、リカバリ能力であり、この能力が出力を出すのと同じぐらい重要になるとも考えています。

出力を出すためにエネルギを犠牲にする、こう考えて頂けたのではないでしょうか。

このリカバリという点も含めた上で、その時点でダンシングを加えると、その後どのような影響が身体に加わるのか、この項目に関して今後しばらく考えてみたいと思います。

最後になりますが、今回も応援・サポート、ありがとうございました。

翌日のJCX開幕戦 茨城クロスの記事は別途で上げます。

それでは。

PAXPROJECT 宮津

Thanks for photo. Ito 様

Thanks for mechanical . Dirtfreak 様 , PAXCYCLE



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