Coupe du Japon CJ-1 一里野
2017年6月11日(日)開催
出走カテゴリ:男子エリート(start loop + 6 laps)
天候・コースコンディション:晴れ・ドライ/マッド
リザルト:1位 / 66名出走(21名完走)
サポート・バイクメンテナンス・メカニック:PAXPROJECT
Ride data of PAXPROJECT XC-29er Di2 with garmin edge 520
Distance:24.8km time:1°17'25" ave speed:19.3km/h
ave heartrate:175bpm max heartrate:185bpm
wheel / tire:PAXPROJECT carbone fat rimtape less / IRC tire front:STINGO XC TLR 1.6 bar, rear:MYTHOS XC TLR 1.6bar
Normalized power:335w TSS:114.9 work:1,172kJ
Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 32t)
Coupe du Japon CJ-1 一里野大会に参戦してきました。
SDA王滝からの連戦となった、CJ富士見パノラマステージでは思い描いていた走りが出来ず、どのようにすればさらに速く走ることができるのか、良い結果を出すことができるのか、と考え今大会に向けて調整してきました。
また、この一里野ステージは、昨年のレースにおいても3位に入賞しており、比較的相性が良く、単純な登りがメインなコースであるため、コースに対しての得意意識はありました。
さらに、いつものCJ戦であれば、3位以内入賞等あまり明確な目標を立てない私ですが、今回は調整段階において調子が良いと把握できたため、目標を”優勝”という高い位置に定め、多少のプレッシャーを感じながらレースに臨みました。
レース前日に午後から強い雨が降り、ドライコンディションであったコースが一気にマッドへと変化。
しかし、レース当日は快晴となり、ゲレンデ部分の地表はドライコンディションなものの、後半のシングルトラックは変わらずスリッピーなマッドコンディションという、路面コンディションを見極めたタイヤ選択、タイヤのエア圧設定が今回のポイントになりました。
私が重視したのは、ドライコンディションのゲレンデ区間より、マッドコンディションのシンングルトラック区間。
タイヤはフロントとリアと別のものを選択し、漕ぎが重くならなく、かつマッドコンディションに対応することが出来るタイヤを考え、選択しました。
レース前のアップでは、ローラーを回し身体を温める段階においても、脚が良く動き、上半身と下半身が上手くリンクし、無意識でもペダルを回せるほどの調子の良さでした。
過度な緊張や不安は少なく、精神面も安定した状態で、今日は”できる”というはっきりとは分からない何かを持ち、スタートラインに並びました。
レースは定刻通り、13時30分から。
スタート位置は最前列左寄り。
スタート直後は、なかなかペダルがはまらず、一時は15番手ほどに埋もれてしまいましたが、焦らず前を追い、その後のスタートラップ登り区間で6~7番手までポジションを上げます。
ファーストラップは6位で終え、その後も徐々に順位を上げ、2周回目のゲレンデ頂点区間の登りで2位まで浮上出来ました。
その後は、ブリヂストン アンカー サイクリングチームの沢田選手とランデブ状態になるものの、コース終盤のシングルトラック区間で5秒ほどの差を付けられてしまい、そのまま2周回目を終えます。
しかし、3周回目の序盤で沢田選手に追いつき、再びランデブ状態になります。
この3周回目、通常であれば一旦ペースを落ち着かせ、終盤に向け体力を温存したいという思考が働きますが、付け入るスキはそこにあるのかと考えました。
最終周回とそのラスト1周回前は、誰しもがペースを上げられるよう最大限努力をしますが、私の場合ラストスパートのキレがなく、また下り区間でのミスは後半の方が多いため、最終決戦に持ち込まれてしまうと勝ち目が薄くなってしまうと考え、レース中盤前には勝負を付けたいと今回は考えていました。
さらに、この3周回目においてペースを落とさない走りをするほか、もう一つ意識したことは、沢田選手の登りでの動きを観察するといった、動きパターンの把握でした。
コース全体で考え、ゲレンデ頂点区間前の登りからの中盤から終盤にかけての区間は、沢田選手に遅れてしまうものの、序盤から中盤の区間は私の方が踏めていると3周回目時点で把握出来ました。
また、2周回目と3周回目を比較して、沢田選手のペースが落ちた区間、ペースが変わらない区間を確認し、4周目または5周回目のどのあたりの区間でスパートを掛けるのかを考え、レースを進めていきました。
3周回目を終え、4周回目へ。
周回直後の直登で一気に先頭へ。
スパートのタイミングは4周回目序盤と定めます。
舗装路の下りで少し息を整え、最下部からの登り区間で一気にペースを上げました。
この行動でフィード区間までに、10秒ほどのタイム差を得ます。
しかし、60秒ほどの差が欲しいと考えており、さらにペースを上げる意識で果敢に攻めました。
その後の5周回目、6周回目と単独首位状態に持ち込みレースの主導権を握ります。
周回を重ねるごとに、身体にも徐々に疲労が現れ、楽をしたいと考える思考が働き何度もペースを落としそうになります。
その中で思い浮かべたのは、過去の自分の情けない走りでした。
UCI marathon seriesでペースが落ちてしまい惰性でしか走れなかった自分。
今年のSDA王滝で一旦バイクから降りて立ち止まってしまった自分。
前々週のCJ富士見で精神的な負の感情に負けてしまった自分。
今回は自分に絶対負けたくない。
他の選手ではなく、本当の己に勝ちたい。
そう思い、必死でペダルを踏みこみました。
7周回目、ラストラップに入るも攻めの気持ちは変わらず。
登りにおいても、ひと区間ごとを大切にすべてを出し切る意識で、また下り区間も最速のベストラインで攻めます。
それでも、最後まで何が起こるか分からないレースであるだけに、最後のシングルトラックが終わるまでは油断はせず、集中して走りました。
終盤のシングルトラック区間を終え、ゲレンデを降り、勝利を確信。
Coupe du Japon CJ-1レースにおいて、初めての勝利を手に入れることが出来ました。
PAXPROJECTチームにおいても、そしてアマチュアのクラブチーム史上においても、Coupe du Japonが始まって以来の歴史を変えることができ、とても嬉しく思っております。
私が本格的にXCO競技に参戦し始めたのが、3年ほど前から。
国内の最高峰のエリートレースを走るようになったのは去年度から。
エリートレース2年目にして、掴み取った勝利ですが、現在所属しているPAXPROJECTチームに入っていなければ、このようなことは達成できなかったのではないかと考えています。
PAXPROJECTチームは、勢いのある若手選手と、経験やスキルのあるベテラン選手といった2パターンの選手がいます。
そのどちらの選手も共存できるのは、互いの強い部分、弱い部分をそれぞれ把握し、様々な視点から指摘をし合い、色々な意見を交換できるからなのではと考えております。
さらに、チーム環境においても、”ひとりでそれぞれの”ではなく、”ひとりはみんなのために”、”みんなはひとりのために”といった、他の選手に対しての思いやりのあるチーム内環境です。
チームの色々な方々に支えられてきたからこそ、今回の優勝があり、チーム全員で勝利を掴み取った瞬間だったのではないかと、振り返ってみて思っております。
ですが、私個人としてもチームとしても、今回の勝利に甘んじることなく、また次の1勝を掴み取るためにも、突き進んでいきます。
最後になりますが、沢山のご声援、最高のサポートをして頂き本当にありがとうございました。
これからも、ジャージの肩に刻まれた”Joy”という言葉を胸に、競技の全てを楽しめるライダーを目指し、精進します。
ありがとうございました。
team PAXPROJECT 宮津
Thanks photo: 伊東 様, 素晴らしい写真をありがとうございます。
0 件のコメント:
コメントを投稿