2018年6月6日水曜日

Coupe du Japon CJ-1 石川 一里野 stage

Coupe du Japon CJ-1  一里野

2018年6月3日(日)開催

出走カテゴリ:男子エリート (7 laps)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ/ウェット

リザルト:2位/48名出走 (18名完走)

ピットサポート,メカニック・パーソナルサポート:PAXPROJECTPowerBar, TopSpeed, LAKE, New-HALE

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:34 × 10-50t)

Distance:26.5km  time:1°23'32"  ave speed:19.2km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.6bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:367w TSS:128.0 work:1,453kJ

Energy food, drink:PowerGel × 3, TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets

Shoes:LAKE MX332 custom model

Taping:New-HALE ニューダッシュ, クライミングテープ, Vテープ


Coupe du Japon CJ-1 一里野ステージに参戦してきました。

昨年のこのレースで、CJ-1 初優勝を飾ったこともあり、比較的相性が良いと考えているこのコース。
本来であれば、目標は優勝と掲げ強気で臨みたかったものの、前週までのレースのダメージや、日々の仕事での疲れが全く抜けず、不安のある状態でレースを迎えました。

レース前日は午後に会場入り。
コースに関しては、前半区間に若干の変更があったものの全体的に急斜度の登りが多く、登坂力が試されるコースレイアウト。
1時間で3~4周ほど走り、身体の状態を確認しつつ、機材のセッティングを決めていきました。

身体面では若干の疲労がある程度で特に問題は無かったものの、精神面の状態がかなり悪く、ネガティブ要素ばかり考えてしまう思考状態になっており、翌日のレースまでにどう改善すれば、良い状態でレースに臨めるのか考え、その後の時間を過ごしました。

当日は少し暑いぐらいの快晴。
コースコンディションも前日と特に変わりなく、心配されることは自身のモチベーションの維持でした。

レース前のウォームアップは、いつも通りの15分ローラーと短時間高強度の実走。
連戦の影響による身体の疲れは残ってはいたものの、脚は比較的良く回り、ウォームアップで集中力を高め、良い状態でスタートラインに並ぶことが出来ました。

レーススタートは定刻通り、13時30分。
スタート位置は、3列目最左寄り。
Photo:Ito san.
スタート直後はやや埋もれてしまったものの、直後の直登区間で徐々に順位を上げ、7~8番手の位置で展開。
その後は、フィードエリアの前の登りと、その後のコースの頂点までの登り区間で順調に順位を上げ、3位まで浮上します。
1周目ということで比較的余裕を持つ意識で進めていきますが、この時から既に若干の腰の痛みを感じながら走っていました。
Photo:Ito san.
後半のシングルトラック区間でも順位をキープし、1周目は3位終え2周目以降へ。

2周目に入り、一旦落ち着くことを意識して進めていきます。
その中でも、2周目中盤からランデブ状態になった、弱虫ペダルサイクリングチームの前田選手と、この後はパックでレースを展開していきました。

先頭を走る、SPECIALIZED RACING の平林選手とは30秒以上の差。
目視では捉えられてはいたものの、なかなか差が縮まらずむしろジリジリと離されていき、先頭まで追い付くためのペースアップは、レース終盤のペースダウンに繋がると考え、現状のペースを維持していく方向にプランを修正しレースを進めていきました。

3周目以降の周回においても、前田選手とパックの状態は変わらず。
ライダーと機材の特性上、登り区間は私が前に出て、下り区間は逆に前に出てもらう、という形を取りハイペースを維持したかったものの、登り区間の私のペースが思うように上がらず、大半の区間は前田選手に前を引いてもらう状態が続きました。
Photo:Ito san.
4周目、5周目、6周目とレースが進むにつれて、パックの形態が安定してきたものの、序盤から感じていた腰の違和感が強い痛みとして現れ始めてしまいます。
丁寧に踏まない限り、シッティングの状態が辛く、極力ダンシングを上手く活用し現状のペースを維持することに努めました。
更には、暑さもそれなりに影響し、序盤は喋る余裕すらあった心肺機能も、追い込まれていく状態。
給水をしっかり取り、終盤の勝負に備えて落ち着くことを意識していきました。

そして、最終周回の7周目へ。
腰の痛みはピークに達し、スタート直後の直登区間で、前田選手に若干の遅れを取ります。
本心は、1位でなければ、2位も3位も変わらないと考えていたため、腰を労り無理に追わなくても良いかと考えてはいたものの、このまま何もしないでレースが終わってしまうのも面白くなく、また私を支援してくださっている方々の期待を、自身の感情を優先するがゆえに、裏切るのは非常に申し訳ないという思考が働き、最後の最後までひとまずは攻めてみようという思考に切り替え、最終周回を進めていきました。

ゲレンデ区間の頂点付近で、前を行く前田選手を捉え2位に浮上。
そこからは無我夢中で攻め、最後まで出し切るイメージで走りました。

最終コーナーを抜け、ホームストレートへ。

CJ-1 一里野 ステージ 2位で終えました。

優勝の平林選手とは、1分30秒もの差。
本調子でレースに臨めたとしても、付いていくことが精一杯であったと感じ、まさにあっぱれな優勝でした。
3位の前田選手も、彼の能力を存分に使って協調体制をとってもらい気持ちの良いレースをさせてもらえただけに、感謝の他ありません。
Photo:Ito san.
今回のレース。昨年優勝したコースということもあり、本来ならばこのレースにピークを合わせ連覇したかったということが本音でした。
しかし、5月上旬の CJ-1 朽木 ステージから毎週のように国内外のレースに参戦し、レーススキルはアップしていったものの、身体の筋力レベルやフィットネスレベルは徐々に下がっていくことを同時に感じ、もどかしい気持ちでもありました。
結果として、一番照準を合わせたかった、今大会にコンディションを合わせることができなかった点は、自身の調整能力不足であったと痛感しています。
また、連戦の疲労に加え、仕事の疲れや、地元でのレース開催ということもあり、休養が殆ど取れず、練習と休養のバランスが取れていないオーバーワークな状態であったと、今は考えています。


ゴールデンウィークから始まった 5連戦。
どのレースも、予め想定していたプラン通りにレースを展開出来ず、思い通りに進められた完璧なレースというものは、1つもありませんでした。
しかし、どんな状況下においても、1つでも上の順位で、また1秒でも早くゴールするために全力を尽くしたことは確かです。
この経験を無駄にせず、今後の国内外のレースに生かし、自身の飛躍につながればと思っています。

今後は、身体的にも精神面でも休むことを欲しているため、少しの期間休養を取りたいと思います。

最後になりますが、暑い中でのサポート、また熱いご声援、誠にありがとうございました。


team PAXPROJECT  宮津

2018年5月23日水曜日

SDA in 王滝 2018 100km

SDA in 王滝 2018 100km

2018年 5月20日(日)開催

出走カテゴリ:100km (1way course)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ、ウェット

リザルト:総合2位

バイクメンテナンス・パーソナルサポート:PAXPROJECT PowerBar, TopSpeed, LAKE, New-HALE

Ride data of  PAXPROJECT FS-29er prototype with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT FS-29er (gearratio:36 × 10-50t)

Distance:91.4km  time:4°08'22"  ave speed:22.1km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.7bar, IRC tire G-CLAW 1.8bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 36t)

Normalized power:294w TSS:259.0 work:3,856kJ Elevation gain:2285m

Ave heartrate:158bpm Max heartrate:175bpm

Energy food, drink:PowerGel × 6 , TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets


5月19~20日に開催された、SDA in 王滝 に参戦してきました。
結果は総合2位と、絶対に勝ちたいと思っていたレースを落としてしまい、落ち込んでいる部分も大きいですが、それもまた経験と捉え、今は前向きに次の目標に向かっています。

今回のレース内容は、一人の選手としての目線で書かせていただきます。
別途で、スタッフとしての総評も書かせていただきましたので、よろしければご参照ください。


私は4月より、王滝村地域おこし協力隊として王滝村に定住しながら仕事をする中で、今回から初めてこのSDAシリーズのレースに、選手の傍ら、スタッフとしてもレースに携わさせていただくことになりました。

また、今回のレース前週に参戦した UCI mountain bike maathon series Germany
SDA in 王滝と同じマラソン競技でありながらも、世界選手権で上位に入るような選手も参加したこのレースに出場してから強行での参戦となりました。
時差ぼけの影響や、移動での疲労、またそのレースで痛めてしまった膝の影響もあり、ベストな状態にまでコンディションを上げる調整能力も、それと同時に試されました。

レース前日は、パワースポーツさん主催のファンライドツアーのアテンド役として務めながら、会場の設営や、作業など、慌ただしく動き、一息つくことができたのは、帰宅して翌日の準備を終えた21時過ぎ。
翌日のプランニングや、業務内容を確認し、21時30分に就寝しました。

レース当日は、3時30分起床。
朝は、炭水化物中心の食事を取ったのち自宅でゆっくり過ごし、会場であるスポーツ公園には5時15分入り。

調子の確認も含むウォームアップをローラーにて15分ほど行い、身体も良く動き、連戦の疲れもさほど出ていない比較的良い状態で、自信を持ってスタートラインに並ぶことができました。
去年に引き続き、レース前の安全祈願を担当させていただきました。
Photo; S.ikeda san
午前6時。100kmの部門がスタート。

スタート直後は10分ほど、舗装路のパレード走行。
多少の会話を挟みながらも、選手各々集中力を高めている状態。
Photo; S.ikeda san
無論、私も現状の調子を確認すべく、リアルスタートに備え身体を温めていきます。

氷ヶ瀬のゲートを通過し、先導車が離れリアルスタート。

今回のレース、コースの大幅な変更もありましたが、地元のレースということもあり、目標は総合優勝と定めレースに臨みました。
その中で、現状の私がマークすべきと考えた選手はただ一人。
ドイツからの留学生、German Technology Racing Team 所属 Lysander Kiesel 選手でした。
前週のCouoe du Japon XCO 八幡浜では、3位に入賞しており、彼が今回出場する情報を得てからは、体格や特性、レース機材についての情報を集め、今回の王滝でのレースに向けてどう戦うべきかを考え、具体的な作戦を立てレースに臨みました。

スタート直後は、比較的ゆったりとしたペース。
その中でも、昨年と同様に TEAM SCOTT の松本選手がペースメイク。
それに、私とKiesel選手が若干距離と取りながら第1区間の登りを走行していきます。
松本選手が序盤の登坂区間では、ランデブ状態になることは予定内で、逆に、登りでのペースメイクをしていただき、如何に後半に向け脚力・体力を温存するか、またKiesel選手のこのコースとの相性を探れるか、という2つのことに集中してレースを進めていきました。

出力で考えるとTempoレンジ、心拍数では80~85%ほどの余裕の持ったペース。
時より、松本選手と先頭交代を交えながらも、前には出ず、後方で様子を伺っているKiesel選手の動きを観察しながら、第1区間の登りを展開していきます。

コース変更区間の、120kmで使用されるループ区間の登りを終え、いよいよ下り区間に突入。
下り区間も、序盤は私、松本選手、そしてKiesel選手の順に展開。
例年より、落石が多く、コース状況は悪いということを事前に把握していたための、先頭でのレース展開でした。

その後は、第1区間の登りと同じような展開。
時機に、松本選手がのレース先頭パックから離れ、私とKiesel選手のランデブがスタート。
ここからが、本当のレースと考え様子を伺いながらレースを進めていきました。

常に私が前、Kiesel選手が後ろ、の状態でレース展開。
私が登り区間で数秒タイム差を得て下りに入ると、Kiesel選手が下り区間終了時に私に追いつくという、ひたすらこの流れの繰り返しでした。
登りではマイペースで登ることができ、下りでは私の通ったラインに合わせて下れる、後追いのアドバンテージ。
先行している私の方が、明らかに無駄なエネルギを使って損している実感はもちろんありましたが、コースを全く知らないKiesel選手に対して、当然の行為だと考え、常に先行してレースを進めていきました。

第1チェックポイントは、1時間42分台で通過。
Normalized Powerは310~320wほど。
ペースも出力もほぼ予定通り。
パックの形態は変えず、そのまま下り、三浦ダムの平坦区間へ。

平坦区間では、現状ペースを維持するため、Kiesel選手にローテーションを要求。
快く受け入れてもらい、30km/h前後で余裕を持ち進めていきます。

実は、このローテーションの要求、Kiesel選手の今後の行動を探るうえで重要な行為と位置付けていました。
Kiesel選手は先頭にほとんど出ず、彼のペダリング動作や技術的な能力がほとんど分からない状況であったため、平坦区間での動きを観察し、どういったセクションが得意なのか把握していきます。
例えば、平坦気味の登りか、急な斜度で落石が多いような登りか、それともアップダウンの多い単発的な登りか。
ここで得られた情報を、三浦ダム以降のコースプロフィールに当てはめ、どの区間で私が仕掛ければ、Kiesel選手とのタイムアドバンテージを得られるか、そして私の方が最終的に先にゴールできるのか、考えながらレースを進めました。

三浦ダム以降の登りセクション。
私が先行なのは変わらず。しかし、Kiesel選手の登坂ペースが若干落ちたように感じ取れました。

ここで立てた作戦は2つ。
1つ目は、第2チェックポイントである一ノ瀬までに30秒以上のタイムアドバンテージを得て、第3チェックポイント以降をそのままリードし進めていく作戦。
2つ目は、第2チェックポイントまでは、仕掛けるのを我慢し、第3チェックポイント以降の舗装を含む緩斜度な登りで仕掛けリードする作戦。

Kiesel選手の登坂の様子を見ながら、前者の1つ目の作戦で行くことに決め、レースを進めていきます。

一ノ瀬までの登り区間でタイムアドバンテージを得るため、その区間はThershold FTP強度付近まで、負荷を掛けペダルを回していきます。
その時点では、この区間の後、多少のペースダウンがあったとしてもこのペースでゴールまで持ち、トップでゴールできる自信がありました。

第2チェックポイントの一ノ瀬へ。
3時間06分台で通過し、一気に10kmを超える下り区間へ。
後続にKiesel選手の姿はなく、このまま快調にりリズムを作っていくべく、レースの主導権を握ります。

ダートの林道下りの区間を終え、舗装路の下り区間へ。
ここでの動きが、今回のレースの大きなポイントとなりました。

舗装路下り、トップギアの10tを使い切り、トルクを掛けながらペダリングしていきます。
しかし、下り区間で足を休めるという、当初の計画とは正反対の行為。
速いリズムは保てたものの、足の疲労が徐々に溜まっていく実感がありました。

真っ暗のトンネル区間も安全に通過し、いよいよ下り区間を終え、登り区間へ。

第3チェックポイント 滝越 78㎞地点。
3時間27分台、依然トップの状態で通過。

しかし、ここから予定調和が始まりました。
下り区間で休められなかった足は、登り区間に入ってもキレの状態が全く無く、とにかく足が回らない状態。
おまけに、登り区間のタイム逆算から考えたエネルギ補給プランだったため、手持ちの補給食が殆どない状況で、完全なハンガーノック状態。
視界は狭まり、徐々に白い景色の幻想が脳内に見え始めてしまい、緊急時用のTopSpeedを流し込み回復を見込みつつも、状況は悪くなっていく一方。

そこからの記憶があいまいになってしまい、どうこうして惰性でペダリングし踏ん張っている間にKiesel選手に交わされてしまい、2位に後退。

力を出したくても、身体がそれを受け付けない状態。
なんとももどかしく、また非常に情けなく、これほど辛い思いをしたのは去年の王滝以来でした。

やっとの思いで最後の登り区間を終え、下り区間へ。
視界が効かない中、追いつけるかもしれないチャンスにかけて、全力で追いました。

ゴールに近づくにつれ徐々に、"負ける"とい文字が頭を過ぎりはじめ、ラスト1km地点でも依然変わらず2位で通過。

そして、ゴールラインが見え、負けを確信。
2018年 SDA in 王滝 総合2位で終えました。

ゴール後は、意識が軽く飛び、暫く立ち上がれなかったものの、回復次第 Kiesel選手のもとへ。
ここ王滝が地元であり、また登坂能力レベルから分析し、一番ライバル視されていた私の動きを最後まで徹底的に観察し、マークされていたことが分かっていただけに、本当にあっぱれな総合優勝でした。


私個人としてのレースの感想は、絶対勝ちたいと思っていたレースを落としてしまい、正直なところかなり落ち込んでいます。
しかし、ここ王滝のレースにわざわざ海外の選手に出場していただけたという行為が、落ち込んでいることに対しての矛盾になってしまいますが、とても嬉しく感じました。
このSDA in 王滝、セルフディスカバリーアドベンチャーシリーズの、最終的なレースの目標は、私としてはやはり国際規模の、大きなレースになって欲しいと思っています。
そのためにも、今回参加していただいた海外のトップ選手、Lysander Kiesel選手や、カナダ出身のSonya Looney選手に参加いただいたことは、今後のこのレースの在り方としても良い流れに繋がっていくと思っています。


これからもっと、このSDA in 王滝 というレースを盛り上げていくためにも、そして、王滝村の復興を目的として当初始めたこのレースの本来の目的を達成するためにも、1人の選手としてまた、1人のスタッフとして、このレースの更なる発展に努めていくべく、結びの挨拶とさせていただきます。

最後になりますが、正規ルートを取れない中にも関わらず、多くの選手にご参加いただき、またスタッフとしてご協力いただきまして、誠にありがとうございました。
そして、本当にお疲れ様でした。

皆様、ありがとうございました。

Photo; Araki san
team PAXPROJECT
王滝村地域おこし協力隊
宮津 旭


2018年5月17日木曜日

UCI mountain bike marathon series Singen-Germany

UCI mountain bike marathon series Class-3 Singen-Germany

2018年 5月13日(日)開催

出走カテゴリ:Elite men (2 laps × 48.5km)

天候・コースコンディション:晴れ/曇り・ドライ

リザルト:27位/64名出走 (54名完走)

バイクメンテナンス・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:36 × 10-50t)

Distance:104.0km  time:4°02'08"  ave speed:25.8km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.8bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:314w TSS:290.0 work:3,891kJ

Ave heartrate:158bpm Max heartrate:181bpm

Energy food, drink:PowerGel × 5 , TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets



ドイツ ジンゲンで開催された UCI mountain bike marathon series Class-3 に参戦してきました。

参加の目的としては、欧州レースでの現状の自身のレベルを把握する他、昨年このジンゲンの地で行われたマラソン世界選手権でのリベンジをしたいといったことがありましたが、一番の目的は、UCI Class-3 のレースで40位以内に与えられる、XCM(クロスカントリー・マラソン) のUCIポイント獲得が狙いでした。

そのため、今年に入ってからのトレーニングは、このレースでしっかり結果を残すことができるように、マラソン競技メインの練習を中心に行い、ロードの練習会にあえてMTBで参加し、マラソン競技に必要なスピードエンデュランスを養成するトレーニングや、登りを計120分ほど淡々とTempo ゾーンで走る、といったトレーニングを多く取り入れてきました。

そのような取り組みもあり、Coupe du Japon 朽木ステージも優勝で終えられ、幸先のよいスタートを切ることができ、ドイツ遠征も無難にこなせるだろうと考えていた矢先、ドイツ遠征直前に、仕事と練習、生活のリズムが若干ずれてしまったことが原因なのか、内臓系の器官の調子が悪くなってしまい、本来の状態でレースに臨むことが危うい状態で日本を出国しました。

また、今回は46日という、やや強行スケジュールであったため、体調をいち早く回復させることが求められました。ドイツに入国してからは、しっかりとした食事をすることはもちろん、休養を多めに取り、レース前日には、80%の状態まで回復させることができました。


レースのコースについては、昨年のマラソン世界選手権とほぼ同じコースであったため、コースの大まかな流れは掴めていたことが幸いで、レース前々日、前日と行った試走では比較的スムーズに行うことができ、コースを覚える以外の、コースのベストラインの確認、集団走行時や路面状況に応じたラインの確認など、プラスアルファの部分まで考える余裕もありました。

コースと機材のバランスがほぼ完璧な状態で整い、あとはレース当日の私自身の体調次第という状態で、レース前日は早めに就寝しました。

レース当日。
雨予報であった天候も、良い方に外れて、晴れ時々曇りといった天候。

体調も悪くなく、内臓系の器官はほぼ通常通り機能する状態でレースに臨めました。

また、ウォームアップは、実走で30分ほど強弱をつけて行い、本来の私自身の走りができていることもここで確認でき、自信を持ってレースに臨めました。

1030分(日本時間1730分)。
最左寄り、6列目ほどの位置から 約48.5kmを2周回となった  男子エリートレースがスタート。

スタート直後は道幅が狭いこともあって、比較的ゆったりとした落ち着いたペースで進んでいき、道幅が広くなる登り区間から、いよいよ本格的にレーススタート。

 3分弱の登り区間でありながら、500w(約7.4倍)ほどで踏まないと周りの選手と同じスピードで走れないような状態。
このレベルで走れていることを、その時点で既に嬉しく思い、またこれからの展開に若干高揚しながら、先頭集団の最後尾あたりでレースを進めていきます。

 マラソン競技では、集団で走ることが長い距離を速く走るためには不可欠であり、このジンゲンのコースに至っては、舗装路の直線区間も多く、出来るだけ集団で走り、足を貯める行為が必要となりました。

さすがに、10km地点に行くころには先頭集団のペースについていくことが厳しくなり、集団が見える範囲で展開。この時点での先頭集団は13~14人ほど。
そこから私のように徐々に落ちてくる選手同士で、また集団を作って第2集団を形成し、15位争いのパックでしばらくレースを進めていきました。



身体も良く動き、15~20位あたりを順位の目標として、レースプランニングしていきます。

変化があったのは30km過ぎの地点。
長めの急勾配登りが終わったあとの果実園のダウンヒル。
上半身が固まっているのが自身でも分かり、思うようにバイクを操れないまま下りへ。
ちょっとした溝で、私のミスでリアタイヤをスリップさせてしまい、コース左側に激しく転倒。
幸いなことに、バイクに損傷はありませんでしたが、左膝を強打してしまい、直ぐバイクには跨れたものの、痛みでしばらくペダルが回せない状態。
一旦はレースを棄権しようと考えましたが、何のためにドイツまで来たのか、ここでレースを止める訳にはいかないと思い、走れる状態である以上、40位以内のUCIポイント圏内でゴールすることに目標を下方修正し、レースを続行しました。

 その後は、膝の感覚が徐々に回復し負荷を掛けても痛みが出ない状態まで戻りました。
しばらくは、落車してしまった自身を責める気持ちもありましたが、一度起こしてしまったミスを引きずっても仕方がないので、気持ちを切り替え走行していきます。
マラソン競技に限ったことではないですが、一度のミスが致命的になる、ということをこの時改めて痛感させられました。

15~20位パックは視界には捕えていたものの、単独走行で集団のパックに追いつける訳もなく、前から下がってきた選手や、単独で後ろから上がってきた選手を交えて20~23位の順位で走行し、1周回目を 22位で終えます。

2周目以降は、当たり前ですが 1周目のようなパワーは出せる訳もなく、我慢の走りが続きました。

60km地点あたりで、後続から上がってきた6~7名のパックを上手く使いながら、しばらくは走行していきますが、やがてはその集団からも離れてしまい、また単独走行の28位でレースを進めていきます。

1周目と比べて明らかにパフォーマンスが落ちていると分かりながらも、ひたすら耐える走り。
出力でいうと、350w出すのがやっとの状態。膝の痛み以前に、1周目で脚力を使い切ってしまったということもありましたが、精神的にかなりきているものがありました。

また、1周目に補給食をあまり摂取できなかったため、2周目以降軽いハンガーノック状態になってしまっていたものの、ジェル系の補給食を多めに取って回復し、淡々とゴールを目指しました。

1周目に落車した箇所はもちろん、シングルトラック内においても、リスクを最小限に、丁寧に走りレースを進めていきました。

終盤、ラスト5kmほどで 27位。
後続から 2名の選手が上がってきましたが、なんとか食らい着き、27位争いパックでゴール地点へ向かいます。
ラスト 1kmの軽い登りで私が仕掛けて、そこからスパート。
膝が痛いのも気にならないぐらい、無我夢中でペダルを踏みました。

そして、ラストのスプリント。


何とか競り勝ち、UCI marathon series Singen は 27位で終えました。
ゴール後は、膝の痛みが酷く救護室に直行。軽く手当を受け、レース終了後しばらくして、酷い痛みは無くなり、無事に日本まで帰国できました。


今回のレースは、マラソン UCI ポイント獲得がマストな目標でであったため、形はともあれ、27位の13pt獲得で終えられホッとしている部分はあります。また、落車が無ければ20位以内に入れた可能性もあり、今までの努力は決して無駄ではなかったことも確認出来ました。
しかし、昨年の世界選手権と同様、ヨーロッパのトップ選手との差は未だ大きく、さらなる自身の進化が必要である事も実感しました。それでも、最初の10kmと短かったものの、ヨーロッパトップ選手で構成された先頭集団に着いていき、そこで得られたことはとても多く、落車を含めた結果はともあれ、レースの内容は現状では納得しています。

私の専門とするMTBマラソン競技は、日本国内ではホビーレースしか無く、UCI ポイントを獲得するためには、どうしても海外のレースに出る必要があります。
しかし、そういった中で自身の現状の競技レベルを世界基準で考えることができ、また速い選手・強い選手はどういったレース内容でレースを展開していくのか、といったことを勉強できるとても貴重な機会でもあります。

この、マウンテンバイクマラソン、という競技を続けていく中で、またこういったレースに参加し、私が海外のレースに参加する中で感じ、得られたことを、より多くの方に知っていただき、国内のマウンテンバイクマラソン競技の発展に少しでも繋がっていけば幸いです。

最後になりますが、日本国内からのたくさんのご声援、誠にありがとうございました。

次戦は、地元 王滝村で開催の SDA in 王滝 100kmとなります。
疲労が抜けきらない状態で臨むことになりますが、現状で出来る最高のパフォーマンスが出来ればと思います。


team PAXPROJECT  宮津
 

2018年5月7日月曜日

Coupe du Japon CJ-1 びわ湖高島 朽木 stage

Coupe du Japon CJ-1  朽木

2018年5月4日(金)開催

出走カテゴリ:男子エリート (7 laps)

天候・コースコンディション:晴れ/雨・ドライ/ウェット

リザルト:1位/54名出走 (20名完走)

ピットサポート,メカニック・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT XC-29er with SRM PC8

Bike:PAXPROJECT XC-29er (gearratio:34 × 10-50t)

Distance:28.0km  time:1°32'21"  ave speed:18.1km/h

Wheel:PAXPROJECT carbone fat rimtape less 

Tire:IRC tire MIBRO for MARATHON  1.7bar

Race bike main component:SRAM XX1 & XO1 eagle one by twelve system

Power data recording medium:SRAM XX1 Quark (wolftooth 34t)

Normalized power:364w TSS:147.0 work:1,620kJ

Ave heartrate:175bpm Max heartrate:188bpm

Energy food, drink:PowerGel × 3, TOPSPEED × 1, TOPSPEED mineral tablets


Coupe du Japon CJ-1 初戦、びわ湖朽木ステージに参戦してきました。

こちらでの報告が遅れましたが、4月より仕事の関係上、生まれ育った埼玉県を離れ、長野県王滝村に引っ越しました。
それに伴い、練習や生活といった日常を取り巻く環境がガラッと変わり、新しい生活が始まってから最初のレースということもあり、慎重に調整をしレースに臨みました。

また、昨年 2位だった相性の良いこの朽木のコース。
直前の調整でも、高調子であったため、目標を優勝と定め勝つために何が必要なのか、ということを考えながら練習をし、生活を送ってきました。

レース前日は生憎の雨模様。
昼過ぎに会場入りし、雨が上がり始めた午後からコースイン。
久しぶりのレースコースでの走行に加え、雨により滑りやすくなった路面に多少ばかり苦戦しましたが、無理のない範囲でコースを攻略していき、60分で3周回と短めに仕上げて、翌日に備えます。

レース当日は、晴れ時々曇りといった陽気。
しかし、風が強く吹く状態で、この風がレースにどう影響するのかがポイントになりました。

午前中のレースを走った選手から、コースコンディションの情報を聞いたり、実際にコースを見て回り、タイヤやエアのセッティングを決めていきました。
強い風や、ゲレンデ斜面に当たる日差しが強いことから、午後のレースにはほぼ路面は乾くと想定し、ドライ寄りのタイヤ、エア圧を設定。しかし、これが、レース中のネガティブ要素に働くとはこの時は考えられませんでした。

ウォームアップは、ローラー15分と強度高めの実走10分で仕上げ、スタートに備えます。

スタート位置は、2列目最左寄り。
定刻より10分遅れの、13時40分。男子エリート スタート。
Photo; Ito san
スタート直後は少し出遅れてしまったものの、第1シングルトラックの前までに 2位まで浮上。シングルトラック内でトップになり、その後は一旦落ち着きレースを進めていきます。
1周回目終了直前にチェーントラブルがあったものの、2周回目で再びトップに立ち、レースの主導権を握ります。

勝つこと前提でレースを進めていく中で、ポイントとなるのは、後続の選手を如何に諦めさせることができるか、如何にトップを追走する意思を無くさせるか、であると私は考えています。
今回は、その”完全に諦めさせる”ような行為を3~4周目にやろうと事前に考えており、2位以降の選手の様子を伺いながら、4周目を目安にペースを上げようと考えレースを進めます。

3周目以降は 今回2位でゴールされた、drawer THE RACING の小野寺選手との争いになることはある程度想定でき、小野寺選手と差が開く箇所、逆に差が縮まる箇所を把握しながら、レースを進めていく中で、最終的に1分以上は引き離したいと考え、ペースを作っていきました。
3周目の段階で、2位の小野寺選手とのタイム差は20~30秒。
Photo; Ito san
4周目に予定通りペースアップ。
この行為で第1シングルトラックまでに、今までよりさらに15~20秒ほどの差を付けることに成功しますが、この時から若干の小雨。
シングルトラック内が、少しばかりスリッピーに変化し、この時初めて今回のタイヤ選択とエア圧の選択ミスを痛感します。
下りで攻めに入りたかったものの。大きなトラブルを避けたかったため、無理な行為には出ず、その分、現状のタイヤセッティングでアドバンテージのある、ゲレンデの登りに的を絞り、そこでしっかり力を出し切れるよう、思考を変化させていきました。
Photo; Ito san
5周目、6周目と進み、タイム差は依然 30~50秒ほど。
登りで引き離し、下りで差を詰められるの繰り返し。
タイムアドバンテージはあるものの、ひとつのミスでリズムが狂うと簡単に逆転されてしまうような、まさに気の抜けない状況でした。

いよいよ、最終周回の7周目へ。
登りは、足が攣りそうになりながらも、すべてを出し切るイメージで。
下りは、リスクを最小限に抑えた守りの走りで、それぞれ攻めました。

優勝を確信したのは、ゴールラインが見えてから。
中盤以降はトップだったものの、最後の最後まで終始気の抜けないレース展開でした。


そして、私自身2度目の CJ-1 優勝で、無事にレースを終えました。
Photo; T.Miyazu
今回のレース、事前の調子の具合から、目標を優勝と定めレースに臨みました。
蓋を開ければ、無事に優勝でレースを終えられたものの、2位以降の選手を大きく引き離すという目標は達成できず、また私自身の走りも思い描いていた走りには程遠く、優勝という形よりも、自身の課題に悔やまれるレースであったと、振り返ってみて感じています。
しかし、王滝村に越してから初のレース参戦ということもあり、手探りな部分も多かったですが、それでも、有言していたことを無事に達成できた、という点に関しては満足しています。


4月より、王滝村に引っ越し、生活様式がガラッと変わりました。

まず、一番の壁となったのは仕事、食事、睡眠といった基本的な事項。
一人暮らしでは普通なことですが、家事をはじめ全てのことを、全部自分でやらなければなりません。
しかし、日常の時間をすべて自分で管理することは、やることに対して自然と責任感が生まれ、逆にプラスになっていることも、多少ばかりあると思います。

また、仕事はフルタイムで働いているため、平日の日中は当たり前ですが練習ができず、基本的には、主に朝と夜の二部に分けて練習しています。
この練習も、如何に効率の良い練習をするか、と並行して、如何に良い環境を使って楽しく練習ができるか、という点にフォーカスを置いて考えいます。
王滝村は、下界でも標高が900m近くあり、今の私の住居に関しては、標高1020mのところで生活を送っており、そういった時間効率を上回るほどの環境の良さの中で練習できる、ということが今の私を支えていると自負しています。

これからも、この王滝村で暮らしていく中で、限られた時間・費用を上手くやり繰りしながら、自身の納得のいく結果を残すことができるよう、引き続き精進していきたいと思います。

最後になりますが、今回も最高のサポートならびたくさんのご声援を、誠にありがとうございました。
Photo; Ito san
次戦は、5月13日 ドイツ-ジンゲンで開催のUCI mountain bike marathon series になります。
今後とも、ご声援のほどよろしくお願いいたします。


team PAXPROJECT  宮津



2018年2月19日月曜日

JCX#12 Cyclocross TOKYO 2018 Final race

Cyclocross TOKYO 2018

2018年 2月11日(日)開催

出走カテゴリ:Elite men (10 laps)

天候・コースコンディション:晴れ・ドライ

リザルト:8位/32名出走 (8名完走)

ピットサポート,メカニック・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT CX-DISC with garmin 920XT

Bike:PAXPROJECT CX-DISC (gearratio:42 × 11-28)

Distance:16.8km  time:1°05'24"  ave speed:15.5km/h

Wheel:PAXPROJECT CT38W-D

Tire:A.Dugast Small Bird 33c (1.75bar)


シクロクロス東京2018年に参戦してきました。

2020年東京オリンピック開催の都合上、今回をもって最後となる可能性もある今大会。
一昨年から参戦していますが、コース1周回のうちの半分ほどが砂場セクションということで、砂場の乗車が下手な私としては、どうしても苦手意識のあるコースでした。
それでも、今年が最後となるかもしれないレースにおいて、まだ一度も達成できていない、同一周回完走、という目標を達成したい気持ちが強くあり、それなりに考えて準備をしてきました。

今冬は、”クロストレーニング”を例年に比べ多く取り入れており、その中でもランニングを多めに取り入れています。
これは、単にクロストレーニングとして地に足を付ける運動として取り入れていることもありますが、ランニングは全身を使った運動の一つであり、身体の使い方を見直すという点において、非常に良いと考えています。
また、シクロクロスやMTB‐クロスカントリーの競技特性上、瞬発的な動作が求められることが多く、ペダルに一気に力を加える動作を鍛える目的においても、効果的と考えました。
ランニングのトレーニングは、短い時間で速い動きを意識して行い、持久力よりも瞬発力という点を意識して行ってきました。
また、レース直前での調整は、不整地乗車からの不整地全力自転車担ぎランの反復、という練習も入れ、レースに直結しそうな動作を取り入れました。

こういった、ランニングというトレーニングを取り入れてきただけに、砂場でのラン、という動作に関してそれなりに自信がありました。
それもあり、序盤の周回で砂場ランを利用してある程度前の順位をキープし、後半は耐える、といったレースプランを想定し、完走を目標にレースに臨みました。

コース試走は、レース直前の3周のみ。
林間区間の流れは昨年とほぼ変わらず、砂場の区間もレース中にラインが変わると想定し、乗車できそうなラインだけをざっとチェックし、レースに備えて軽めの試走で終えました。

バイクセッティングは林間区間を重視して、タイヤエアも少し高めにセット。
乗車が無理そうであれば、早めに降車し、そこから全力ランニングのスタイルをとろうと決め、スタートに備えました。

レースは定刻より 5分遅れで、14時10分からスタート。

スタート直後の砂場区間で早めに降車し、ランニングで上位まで浮上。
しかし、シケインでバランスを崩し、バイクのチェーンを落としてしまうトラブル。
そこからのリスタートという事で、ほぼ最後尾からの波乱スタートとなりました。

気持ちの焦りもあったものの、砂場のランニングに賭け、林間区間では足を貯める意識。
そして、1周回目の砂場区間へ。
早めに降車し、そこから全力でランニング。
30位前後の順位が、砂場区間が終わるころには15位ほどまで浮上し、1周回目を終えます。
2周回目も同様、林間区間で足を貯め、砂場区間のランニングで順位を上げ、順位を挽回することを優先して序盤はレースを進めていきました。
Photo by Sakai san
中盤になると順位も安定し、7~8番手まで浮上したのちは、一定のリズムでラップを重ねました。
幸いなことに、砂場区間のラインに関しては、レース中に大きく変化することが無く、自分がベストと考えるラインを終始トレース出来ました。

Photo by Sakai san
 終盤になると、身体のキレが無くなってくる感覚もあり、林間区間や砂場区間での小さなミスが目立つようになり、リズムが下がりつつありました。
Photo by Fushii san

8周回目あたりから、私の後方での声援が大きくなり始め、まさかと思ったらトップの選手が目視でかなり近づいていました。
序盤の出遅れをなんとか取り戻したものの、今はこれが限界かと勝手に思い込んでしまいそうになる自分を、絶対完走したいと思うもう一人の自分に鼓舞され、気持ちを切り替え9周回目に入りました。

とにかくこの周回は攻めに攻め、林間区間のコーナーからの立ち上がりはもがき、砂場区間では降車してランニングしていた部分も、ほぼ乗車でいきました。
後で確認したところ、ラップタイムはこの周回が一番速く、1周回 6分を切っていました。
強い気持ちと集中力がこの冬でついたな、と我ながら勝手に満足していましたが、無事に9周回目を終え、最終周回の10周目に入ります。

10周回目はとにかくヘロヘロで、集中力が無く、最後になるお台場でのレース心のそこから楽しもうと割り切り、レースをしました。
最終走者となってしまったものの、多くの方々からご声援をいただき、それが本当に嬉しく、砂場でフロントアップしたり、降車して飛んだりと無駄な動作がとても多かったと振り返って思いますが、シクロクロスを心の底から楽しめている私が、そこには居ました。

今年で最後になるお台場でのレース、最終レース、そして最終走者。
この締めくくりを私がやってしまうのは、なんとも恐れ多いですが、
2018年シクロクロス東京は 8位で無事に完走しました。
Photo by Fu san


今回のレース。振り返ると序盤の遅れが悔やまれますが、今冬に多く取り入れたランニングが功を奏した結果となりました。
あとは、集中力を始めとした気持ちのコントロールも比較的上手くできるようになり、レース中に生まれるネガティブ思考を上手くポジティブ思考に変える、といった思考の変化も向上したように感じました。
しかし、砂場での乗車率の低さを含む、技術的な面でのレベルの低さを痛感し、呼吸が乱れた状態において正確なコントロールをするという、レースにおいてのアクションの成功率という点は課題が残りました。
良い面・悪い面をしっかり反省し、MTB-クロスカントリーへ活かすことが出来ればと考えています。


今レースが2017‐2018年シーズン最後のシクロクロスレースとなります。

8か月振りにドロップハンドルを握った状態のUCI 小貝川から始まり、UCIレースや全日本選手権をメインにレースをしてきました。
MTB‐クロスカントリーの練習の一環としての部分が強く、一つのレースに対して一喜一憂しないよう心掛けていましたが、結果に満足がいかず本当に悔しい思いをした時もありました。
そうした中で、自分のポテンシャルを最大限に引き出すためには、どういったレースをすればよいのか、ということに改めて考えせられ、現状で出来る最高のパフォーマンスをしようと、どのレースにも臨みました。

レースにおいて、リザルトが良かった際も、振るわなかった際も、PAXチームを始めとしたお知り合いの方々にサポートいただき、感謝の他ありません。
また、多くの方々にご声援をいただけたからこそ、こうしてシーズン終わりまで走り続けることが出来ました。
誠にありがとうございました。

2018年は、私の中でも変化の年と定めていますが、自身の成長のために変えるべきもの、また安心感のあるものとして変えてはいけないもの、といった区別をしっかり行い、2018年を過ごしていきたいと思います。


最後になりますが、今回のレースもご声援ならびサポートいただきまして、誠にありがとうございました。

それでは、また来シーズンに。

Photo by Takizawa san


2018年1月24日水曜日

同じ練習メニューを繰り返し行うことについての考察

最近に限ったことではないですが、多くの方から”普段はどういう練習をしているのか。”と有り難いことに尋ねられる機会が増えたので、ある練習についてご紹介したいと思います。
と言っても、特別な内容のものでは無く、ある程度の環境さえ整っていれば多くの方が取り入れることが出来るものかと思います。
参考程度に読んでいただければ幸いです。

2016年の3月より、週一で同じ登坂メニューを繰り返しています。もちろん今日に至るまで毎週です。
内容としては、実走においてある峠を2∼3本をリピートして登る、という至ってシンプルな内容です。
例えば、本日の内容としては

3 × 12mins (Normalized Power(NP):sst ∼ LT(330 ∼ 360w))(today's weight:67kg)

① Dis 3.09km aveHR 166bpm avePower 316w  NP 328w  4.9w/kg
② Dis 3.23km aveHR 165bpm avePower 333w  NP 345w  5.1w/kg
③ Dis 3.36km aveHR 167bpm avePower 343w  NP 361w  5.4w/kg

12分 という時間に関しては以前もご紹介しましたが、MTB XCO競技において 競技時間約90分のうちの1周回約15分で、完全に下り区間で脚を休めることが出来る時間 3∼4分を 15分から差し引いた時間ということで 12分となっています。
残念ながら、コース頂上付近の道路の土砂崩れにより、2017年11月より全く同じコースを使用できなくなってしまったものの、コース中の分岐点までは使用でき、コース中の 3/4は変わらない区間となっています。
もちろん、スタート地点は同じポイントに定めています。
使用機材に関しては、29er MTB(もちろんブロックタイヤ)のみを使用しています。
路面状況に関しては、全てが舗装されており天候による変化に依存しづらい環境です。

数値以上に、なぜ同じ峠で同じ内容の練習を繰り返すのか、という点に疑問がいくのではないかと思いますが、主な理由は2つあります。

1つ目は、定量測定における評価のし易さです。

ホビーライダーにとってのネックになる部分として、練習メニューの決定というものがあります。
練習メニューを与えられるのではなく、自ら考え決めなければなりません。
また、色々なメニューを行ったからといって、必ずしも競技レベルが向上するとは限りません。
上記の理由から固定メニューを組み、メニュー思考の時間を省くことが出来るわけですが、真の目的は実は違います。
それは、練習に対する評価がし易い、ということが挙げられます。
同じ場所で、登坂回数を重ねていけば、必然的に得られるデータ数も増えていきます。
このデータを頼りに、前回、または昨年の今頃、と比較して、どの項目の数値が高かったor低かった、良かったor悪かった、等の評価を可視的に行うことが可能となります。
更には、次回以降により良い練習を行うための手がかりも、そこから得られることも可能です。
この考え方で面白いことは、出力値が高い≒タイムが速いということです。
なぜ完全な=(イコール)関係にならないのかというと、細かい区間でアクションをその都度変更しているという点にあります。
アクションに関しては、基本はシッティングで出力をキープすることが多いのですが、例えば週末がXCOやcyclocrossのレースであるとすると、短時間のダッシュが多いアクションの刺激として、斜度が急な区間はダンシングで踏み倒す、緩い斜度は軽いギアで脚を休め気味にする。逆に週末がヒルクライムやMTBマラソン系のレースであるとすると、出力の上下変化を抑え一定に負荷を掛ける、と言ったことを心掛けるようにしています。
それがあってのタイムリザルトです。(画像参照)レースシーズンや乗り込みシーズンの違いで、例えタイムが同じであっても出力値が違うことは当然かと思います。
逆に、アクションを起こせるということは、ある目標とするタイムにおいて、ある程度最終的な出力を調整できるということが出来る、ということに繋がります。
タイムや出力を自由に調整出来るということは、同じコースを走り続けているからこそ、身に着けることが出来る能力でもあるのかと思います。
同じ場所で同じメニューを繰り返す、1つ目の理由がこれです。


2つ目は、レースにおける安定感の向上です。

最近は、この理由を狙って上記の練習内容を行っていると言っても過言ではありません。
なぜ、安定感の向上に繋がるのか。それは、この練習自体をどのような体調であっても、どのような気象状況においても必ず継続している、と言うところにあります。
レースでの成績の半分以上は、コンディション、によって決まるものと私は考えています。
そのコンディションというのは、会場であったり、天候や、路面状況といった部分もありますが、大きな部分はそのライダーの体調が主です。
体調が悪かったから、今回のレースは振るわなかった。以前は私もこういった理由で大事なレースを落とすことが多かったと記憶しています。
上記の練習内容では、ペースメイクに対しての安定感と自身のコンディション(体調)に対しての安定感と、それぞれ2つの安定感を同時に強化できると考えています。
ペースメイクという点に関しては、毎週のように登っている峠なだけに、この地点でこのタイムこの出力値と分かれば、最終的にどのぐらいのタイムでこの地点まで行くことができる、この出力値で終えられるということも走行中に容易に想像できます。
また、自身のコンディションに関しては、走ることが出来る状態であればどんな体調でも必ず行っている練習です。
それこそ出力値こそ日によって多少は変化させますが、時間や本数は最低でも 12分を 2本を課しており、更には天候も毎回晴天とは限りません。曇りや雨、雪など様々な環境下で走ります。
そうなると、自身の調子が良い日の走り方、また調子が悪い日の走り方と、調子の良し悪しに関係なく同じような走りをすることが要求されます。
その結果、このコンディション、またはこの天候であれば、これぐらいの感覚で行けば目標とするタイム・出力値に到達することが出来る、というものが自然と分かってきます。
上記の練習内容を通じて、この感覚であればこの目標が達成できる、という可視的ではなく感覚的な能力が、自然と身に着いてきていると実感しています。


以上の 2つが主な理由です。

しかし、毎週やらなければならない、と言った責務のような感情はあまりなく、むしろ今日はどれぐらいで行けるのか楽しみといった感情の方が大きいです。
ライフタイムアスリートではなく、あくまでも趣味として自転車に乗るアマチュアライダーとして、まずは練習から楽しむことが基本かと思っています。
それは、練習そのものが楽しいだけでなく、自分自身が進化していく過程が楽しい、というものでもあります。
色々訳ありで、上記の練習内容を行えるのは今年の 3月までとなってしまいそうですが、それまではしっかり通い詰めたいと思います。
限られた時間の中でしか練習出来ないアマチュアライダーとして、いかに効率良く練習できるか、という点にフォーカスを置き練習を考えてきました。
今後も、こういった練習とともに、更に上のレベルで走ることが出来るよう引き続き精進していきたいと思います。

最後になりますが、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
練習について、お気軽に聞いていただければ幸いです。可能な限りお答えいたします。


2018年1月24日 宮津

2017年12月14日木曜日

Cyclocross national championships race 2017 in Nobeyama

2017年 シクロクロス全日本選手権

2017年12月10日(日)開催

出走カテゴリ:Elite men (8 laps)

天候・コースコンディション:晴れ・マッド/スノー

リザルト:10位/69名出走 (20名完走)

ピットサポート,メカニック・パーソナルサポート:PAXPROJECT・PowerBar,TopSpeed

Ride data of  PAXPROJECT CX-DISC with garmin 920XT

Ave heartrate:170bpm Max heartrate:177bpm

Average pwer:247w Normalized power:293w TSS:73.8 work:1,004kJ


 Bike:PAXPROJECT CX-DISC (gearratio:42 × 11-28)

Wheel:PAXPROJECT CT38W-D

Tire:A.Dugast Small Bird 33c (1.5bar)


SDA in 王滝からの4連戦目、シクロクロス全日本選手権に参戦してきました。

前週のUCI宇都宮、そのまた前週のUCI野辺山では、スタートが上手く決まらず序盤から出遅れてしまう展開が立て続けに起こり、結果もなかなか思わしくないものとなりました。

UCI宇都宮から今大会までの1週間では、スタートでの失敗がトラウマ化してしまっていることを、何とか払拭したいと思い、スタートダッシュを意識した練習に徹底的に取り組んで、今大会に臨みました。

土曜日の試走時間に合わせて会場入り。
前日の積雪の影響もあり、コースコンディションは、雪。
この雪が、レース当日に残ったままなのか、それとも溶けてしまいドロドロになるのか、当日になるまで路面コンディションは読めない状況。
また、UCIレースから若干のコース変更が入り、踏む区間が長くなったことも加えて、脚を止められる箇所が少ない上に、常にバイクを操ることに神経を使いそうなタフなレースになりそうであることが予想されました。

レース当日。
朝のうちはコースに雪が残っていたものの、昼になり気温が上昇するにつれて次第に溶け始めてしまい、エリートのレースを迎えるころには、泥がメインのコースコンディションに変化しました。
地表がむき出しになったコーナーでは、雪の路面よりタイヤが滑ってしまうことから、一つのミスでの遅れが最後まで挽回しづらいコースと分かっているだけに、ミスをせず、かつ速い走りが要求されました。

ウォームアップは、通常のレースより軽めに済ませ、余裕のもった状態でスタートラインに並びます。
レースは定刻通り、14時から。
スタート位置は、最前列最左寄り。

ホイッスルの音に上手く反応することができ一気にダッシュ、第一コーナーは2番手で入ります。
しかし、選手権優勝とは程遠い私の実力からすると、このポジションで走行してしまうと明らかなオーバーペース。
そのため、徐々に順位を落とし、目標の一桁順位を狙える位置までポジションを下げました。

1周回目は8位で終了。
2周回目以降、1周回目で試走時と状況が変わっている区間、変わらない区間をそれぞれ確認できたため、コーナーで出来るだけスピードを落とさないことをイメージし、ポジションをキープしていきます。
しかし、落車等の大きなミスを起こしたくないことが故か、コーナーでのスピードが思いのほか上がらず、思い切りの良いコーナリングが出来ずにいました。
そのため、コーナーでの遅れをコーナーの立ち上がり加速で取り戻すべく、立ち上がりでもがきますが、スタートのダッシュでも脚を使ってしまっていたせいか、あまりキレが無く、また徐々に脚を消耗していく感覚はありました。
Photo:Okamoto san
中盤では、ポジションをやや落としてしまうものの、シングル順位が狙える位置の10位前後で展開。
直線では、立ち上がりを意識してもがき、高速コーナーでは、必要以上に制動させずスムーズに曲がることを意識し、低速コーナーでは、泥の無い芝の路面に乗せ極力スピードを落とさない走りを、それぞれ意識して進めていきます。
Photo:Okamoto san
終盤に入り、9位までポジションを上げられる位置の10位で走行。
短い登り区間で毎回プッシュしますが、脚の動きが思わしくなく、登り区間で力を発揮できない状況にありました。
それでも、コーナー区間ではラインも定まりスムーズに走れ、序盤よりも速いリズムで走れていました。

そしてラスト1周。10位で通過。
一つでも順位を上げようと、有り余っている力をすべて出し切る意識で、果敢にプッシュし続けました。
ついに、ラスト300mで9位に浮上し、あとは抜かされないようにゴールするのみ。
しかし、最後のゴールスプリントで逆転されてしまいます。
Photo:Okamoto san
結局、2017年の全日本選手権は10位で終えました。


今回のレースは、前々から意識していたスタートが比較的スムーズに決まり、そのままの流れを保ちたかったものの、前半のコーナリングスピードが上がらなかったり、また後半に脚の余力を残しきれず直線でのスピードが乗らなかったりと、速い展開に対応しきれなかったという点が問題視されました。
しかし、最初の1周回だけでも上位の選手の動きを体感出来たことは、今後のレースにとっても大きな収穫となりました。
また、レース中は常に気持ちを切らさず良い集中状態で走れたことも、大きな収穫となり、順位に対しては不満はあるものの、走りの内容はまずまずであったと今振り返ってみて感じております。

この選手権でしか味わうことのできなかった感覚を、今後のレースに活かし、更に上のレベルで走ることが出来るよう、精進したいと思います。

2017年のレースは、今大会をもって終了となります。
今年は、昨年よりさらに多くのご声援をいただきました。
沢山の応援の中でレース出来ることを、本当に幸せであると感じると同時に、私の走りで少しでも多くの方の、喜びや刺激になれば幸いであります。

また、PAXチームを始め、色々な方に支えられレースを走りきれたことを今年は特に強く感じました。
私一人でレースを走ることは無理で、やはり支えて下さる方々があってこその、今の走りであると感じています。
誠にありがとうございました。

少し早い気もしますが、2018年も引き続きよろしくお願いいたします。

team PAXPROJECT  宮津